米国の大手自動車メーカーであるゼネラルモーターズ(GM)が、ブロックチェーン関連スタートアップ企業のスプリングラブズがパートナーを募っているデータセキュリティー拡充プロジェクトに最新メンバーとして加入した。GMが2月11日のプレスリリースの中で明かした。

GMは以前からブロックチェーン技術が持つ可能性について探っているが、今回は「スプリング創設産業パートナー」(SFIP)プログラムに参加する。SFIPは1月に始動したプロジェクトだ。プレスリリースによると、GMファイナンシャルはSFIPへの参加企業第一号となった。

現在20社弱がこのプロジェクトに参加しているが、共同研究を通じてデータ来歴の諸問題への対応を検討することを目指している。

スプリングラブズは今年中に最初の関連製品をリリースする予定だ。

プレスリリースの中でGMファイナンシャル社のマイク・カナリオス最高戦略責任者は、「ゼネラルモーターズ社の保険子会社として、また世界屈指の自動車関連金融業者として、当社は不正行為の防止及び検知技術を絶えず磨き、進化させている。そうした努力により顧客やディーラーを守るとともに、さらに良いサービスを提供していく」と述べた。

フォーブス誌に掲載された記事の中でスプリングラブズのアダム・ジワン最高経営責任者は、もし今回の計画がうまく行けば、GMにさらに積極的に参加してもらい、より広い業務領域での提携が見込まれると述べた。

ジワン氏は次のように言う。

「2社で協議した結果、この技術を開発すればさまざまな事例に応用が効くという点で意見が一致した。金融業者としてのGMファイナンシャルの基幹業務はもちろん、親会社であるGM本体の業務にまで応用範囲を拡大できる可能性がある」

GMは近年ブロックチェーン技術の開発に積極的に関与するようになった。17年末、GMファイナンシャルは大多数の企業に先駆けてハイパーレッジャーに参加した。ハイパーレッジャーはオープンソースの業務用ブロックチェーンプロジェクトで、以降、多くの有名企業がメンバーに名を連ねるようになった。ハイパーレッジャーは現在、IBMのブロックチェーンプラットフォームを支える技術的基盤となっている。

その6か月後、GMは他の大手自動車メーカーと共同で、業種横断的ブロックチェーンコンソーシアムを立ち上げた。12月、GMは自動運転車に関連した、あるブロックチェーン技術を利用したデータ取り扱い手法について特許申請を行った