昨日発表された消費者物価指数は、前年比1.8%と予想の1.6%を上回った。6カ月ぶりの高水準となり、BOEの目標である2%に近づいた。また、生産者物価指数(原材料価格)も前月比0.9%と予想の-0.4%を上回り、BOEの利下げ観測は後退した。

しかし、ブレグジットの移行期間後のEU金融指標へのアクセスを巡り、「イギリスは日本やアメリカと同様とし、特別扱いはしない」というEU側の見解が伝わるとポンドは売られ、ポンド・ドルは安値1.2907まで売られた。

しかし、NY市場では大幅な円安が進み、ドル円が111.59円と9カ月ぶりの高値をつけた。クロス円でも円安が進み、ポンド円は144.17円まで上昇した。これまでドルと円は同じ方向に動くことが多かったものの、円安・ドル高が進みやすい地合いになっている。ポンド・ドルとポンド円の動きも異なる値動きになる可能性が高まっている。

本日の経済指標では、小売売上高(予想前月比0.7%)に注目している。

ポンド円のテクニカル分析と相場見通し

今日のポンド円予想レンジ 143~145円

まずは、ポンド・ドルのチャートを確認してみよう。

ポンド・ドルは弱い。100日移動平均線(1.2955)を明確に下回った。2月10日の安値1.2872を下回ると、下値模索の展開になりそうだ。しかし、ポンド円のチャートでは景色が異なる。

ポンド円は一目均衡表の雲を上抜けた。1月22日の高値144.63円を目指す展開になりそうだ。円安・ドル高の勢いが強まっているので、素直にポンド円のチャートについていった方がいいだろう。

ドル円は1月17日の高値110.30円を超えていることから、円安・ドル高トレンドが継続する可能性が高いからだ。