仮想通貨取引所Gate.ioは5月31日、流動性不足の噂を否定し、「運営や出金に関して噂されているような問題はない」との声明を発表した。この声明は、同取引所がクロスチェーンプロトコルのMultichain(MULTI)との関連性を理由に資金不足を経験していると、多数のツイッターチャンネルが主張したことを受けて出されたものだ。

Gate.ioのチームは「運営は順調に進んでおり」、香港にアフィリエイト取引プラットフォーム「Gate.HK」を設立することに注力していると語った。

Gate.ioの資金不足の噂は、Multichainに関連する一連の出来事をきっかけに浮上した。5月24日、ブロックチェーン分析会社アーカム・インテリジェンスは、Gate.ioへのMULTIの大量の資金流入を示すデータを公表し、Multichainのチームが「上海で逮捕されたという噂」と関連しているとアーカムは指摘した

「Multichainのチームが上海で逮捕されたとの噂が流れた後、$MULTIの大口保有者が資金を移動し始めた。チームのウォレットが約300万ドルの$MULTIをGate.ioに移動させたことで、一部の投資家が動揺し、$MULTIの価格が24時間で26.5%下落した」

5月25日、バイナンスは、Multichainプロトコルに依存するいくつかのブリッジトークンの入金を一時停止した。これには、ポルカスターター(POLS)、アルパカファイナンス(ALPACA)、ファントム(FTM)のブリッジトークンも含まれる。バイナンスは、これらのトークンで取引の遅延が発生しており、入金を一時停止したと説明した。

5月31日、Multichainは、同社のCEOが行方不明であることを発表し、CEOだけが関連するサーバーにアクセスできる人物であったため、プロトコルの一部のルーターが機能しなくなったとの説明を投稿した。同日、一部のツイッターユーザーは、MultichainのチームメンバーからGate.ioへのFTMの大量入金だとされる取引の画像を投稿し始めた

ブロックチェーンデータによれば、5月25日から26日にかけて、未知のユーザーからGate.ioへ1,000万ドル以上のFTMが移動したことが確認されている。コインテレグラフは、取引を実行したアカウント所有者の身元を特定することはできなかった。

MULTIとファントムがGate.ioに多数入金されたことを受け、一部のツイッターユーザーは、同取引所がMultichainの影響を受けているのではないかと疑っている。Gate.ioのチームは、これらの噂を否定し、同取引所はすべての出金を処理し、正常に運営していると述べている。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン