日本の富士通は、台湾のファミリーマートで、ブロックチェーンを使ったクーポンの配布や、来客対応ロボットの導入など、デジタル技術を活用した店舗づくりに向け実証実験を開始した。店舗の集客向上や業務負荷軽減を目指す。

富士通写真提供:富士通

 台湾で3000店舗以上のファミリーマートを運営する全家便利商店と、現地ベンチャー企業と提携し、先月29日に実証を開始した。実験は台北市内のファミリーマートの店舗(重慶店)で行う。

 富士通のブロックチェーン技術で、のちにクーポンに交換できるスタンプの取得履歴やクーポンの利用履歴といった顧客情報を管理するのに利用する。個人のスタンプ台帳改ざん防止などのセキュリティ面のほか、ユーザー間のスタンプ交換など、他者との連携の部分でブロックチェーンの利点を活かす。

 富士通は、今回の実験の狙いを次のように話す。

「最新のテクノロジーを体験するのを目的に来客が増えた。新ITコンセプト店舗のファミリーマート重慶店は、無人店舗や未来型店舗というより、より現実的な感じで、店舗の労働力の省力化を目指している」

 富士通は、台湾のファミリーマートと提携した背景については「昨年3月に東京で開催されたリテールテックや富士通フォーラムのイベントに、台湾ファミリーマートが参加したことから提携の話が進んだ。先方は最新のテクノロジー導入に興味があり、富士通も他業種との連携を模索していた」と説明した。

 富士通のブロックチェーン技術を使ったスタンプ取得システムの実証実験は、日本では千葉市小田急電鉄が昨年に実施している。