3月22日のCNBCの報道によれば、経営破綻した仮想通貨取引所FTXが、人工知能(AI)企業アンソロピックの約10億ドル相当の持ち株を売却する。

この売却は破産債務の返済の一環として行われる。アンソロピックは現在、複数の投資家候補を検討中であり、数週間以内に取引が行われる見込みだ。CNBCによれば、株式は特別目的会社(SPV)を通じて購入されているという。これらの株式は議決権のないクラスB株式だという。

また、CNBCはサウジアラビアが国家安全保障上の懸念から売却候補から排除されていると報じているが、これが政府系の組織にのみ適用されるのか、サウジアラビアの個人や企業、または外国で事業を運営する市民にも同様に適用されるのかは明らかにされていない。

今年2月、米デラウェア州の破産裁判所のジョン・ドーシー判事は2月22日の聴聞会で、FTXがアンソロピックの株式を売却できると裁定した。FTXは2022年4月の株式購入時にアンソロピックの株式を約5億3000万ドルで購入していたが、その後の生成AIブームの中で株価は倍増し、現在の価値は約10億ドルと見積もられている。

FTXを巡っては、FTXの元CEOであるサム・バンクマン-フリード氏の量刑判決が3月28日に予定されている。バンクマン-フリード氏は2023年11月に詐欺罪など7つの罪で有罪とされた。米検察当局は、バンクマン-フリード氏に対して懲役40年~50年を求刑している