FTXが流用された顧客資金の回収を続けている。FTXは7月19日に訴訟を起こし、ライフサイエンス企業への投資と寄付に関連する7160万ドルの返還を求めた。被告は6つのライフサイエンス企業、FTX財団の慈善団体、非営利団体ラトナ・バイオサイエンス・グループ、元FTXのCEOであるサム・バンクマン-フリード氏、FTX財団の責任者であるニコラス・ベックステッド氏、ラトナの責任者であるロス・ラインガンス・ユー氏だ。
訴状によれば、FTX財団とラトナが、バンクマン-フリード氏とラインガンス・ユー氏の個人的利益のため、またアラメダリサーチやFTXに利益をもたらすことなく、6つのライフサイエンス企業に資金を寄付または投資したと主張している。問題となっているのは、2022年2月から10月にかけて、ラトナのためにアラメダリサーチからこれらの企業へ行われた8回の送金だ。
ライフサイエンス企業への投資は、適切なデューデリジェンスや独立した評価なしに行われたとされている。
訴訟によると、「これらの送金は全て、現在または将来の債権者を妨害、遅延、または詐欺する意図をもって行われた。これはFTX財団、ラトナ、バンクマン-フリード氏が知っていた事実だ」としている。
「バンクマン-フリード氏は、これによって政治的な資本と影響力を蓄積すると信じて、これらの取引を追求した」と訴状は付け加えている。
新たなFTXの経営陣は、不適切に使用された顧客資金の回収に積極的に取り組んでいる。特に、寄付金の回収は複雑な作業となっており、大学、研究者、さらには学生にまで資金が流れているためだ。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン