2023年9月9日に提出された裁判所の文書によると、破産した仮想通貨取引所FTXは2022年11月の破産前に不正に引き出されたとされる2100万ドルを回収するために、クロスチェーンプロトコルのレイヤーゼロ・ラボに対して訴訟を起こした。

この訴訟は、2022年1月から5月にかけて、FTXの姉妹会社であるアラメダ・リサーチのベンチャーキャピタル部門であるアラメダ・ベンチャーズとレイヤーゼロの間で行われた取引に関連している。

訴状によると、アラメダ・ベンチャーズは、レイヤーゼロの約4.92%の持分を取得するために2回の取引で合計7000万ドルを支払った。また3月には、アラメダ・ベンチャーズは100万STGトークンを公開オークションで2500万ドルで購入。STGトークンは、2023年3月から6か月間にわたって分割して配布される予定だった。

これらの取引の間、2022年2月にレイヤーゼロは年間8%の利率でアラメダ・リサーチに4500万ドルを貸し付けた。

11月初めにFTXの危機が表面化すると、レイヤーゼロはアラメダが所有するそ自社の株式の返還を求めた。この合意には、4500万ドルの貸し付けの免除と引き換えに、レイヤーゼロへの株式の返還が含まれていた。1億STGトークンに関連する別の取引は成立し、レイヤーゼロは2022年11月9日に1000万ドルの割引でこれを買い戻した。しかし、この取引は完了しなかった。レイヤーゼロはトークンの代金を支払わず、アラメダ・ベンチャーズはトークンを移転しなかった。

FTXは訴訟で、レイヤーゼロが流動性危機の最中にアラメダ・ベンチャーズを利用したと主張している。

「レイヤーゼロはアラメダ・リサーチが流動性の危機に直面していることをよく知っており、約24時間以内に、当時のアラメダ・リサーチのCEOであったキャロライン・エリソン氏との間で緊急売却取引を交渉した。」

訴状では、これらの合意の取り消しに加えて、FTX閉鎖の数日前に引き出された資金の回収を求めている。その額は、レイヤーゼロ・ラボから約2137万ドル、元最高執行責任者のアリ・リタン氏から約1307万ドル、子会社のSkip&Gooseから約665万ドルに上る。

FTXはレイヤーゼロ・ラボ以外にも複数の企業を提訴している。FTXは、グループの解体前に、複数の子会社が行った取引から数十億ドルの回収を試みている。