何者かに誘拐されていたウクライナの仮想通貨取引所EXMOの代表取締役であるパヴェル・ラーナー氏が、約1億1000万円相当のビットコインの身代金と引き換えに解放されれていたことがわかった。ファイナンシャルタイムズ紙が伝えた

 ラーナー氏は27日、キエフで勤務先のオフィスを出た直後に何者かにつれ去られていた。

 アントン・ゲラシェンコ内相顧問はファイナンシャルタイムズに対し、ラーナー氏は「武装したギャング集団によってビットコイン目的で誘拐された。現場職員からの情報によると、同氏は100万ドル以上相当のビットコインを支払ったようだ」。

 また、現地メディアの報道によると、警察関係者の話として、誘拐犯は今回の事件が世界中で大きく報道されたことに驚きラーナー氏解放に至ったという。

EXMO社の公式声明

 EXMO社は今日、ラーナー氏誘拐に関する公式声明を発表し、「同氏は無事であり傷害等もないが、大きな心的ストレス状態にありしばらくは公式コメントを発表する予定はない」とした。

 同声明には身代金に関する言及はなく、ラーナー氏の仕事内容がユーザー資産へのアクセスとは関係しておらず取引所は「通常通り運営されている」とするに留めている。

 一方で同社公式ツイッターは同取引所が昨日ハッカー攻撃を受けていたことを伝えている。

 現地報道によると、ラーナー氏はロシア国籍でポーランドに居住許可を得ており、ウクライナで多数の仮想通貨やブロックチェーン関連の事業に関わっていた。ファイナンシャルタイムズによるとEXMOはイギリスで法人登記されているが、ウクライナ国内にも営業拠点があった。

 EXMO社の公式声明によると、ラーナー氏誘拐事件の犯人探しは続いている。もし逮捕されれば、犯人は5年以下の懲役が課せられる可能性があるという。