金融庁は30日、「令和2年度(2020年4月~2021年3月31日)の機構・定員、予算要求」の中で、仮想通貨(暗号資産)関連の人員の増強を要求した。

定員の増員要求は、合計34人。改正資金決済法と改正金商法に対応する上での体制整備のために9名の増員を求めた。

金融庁は、暗号資産による証拠金取引やICO(イニシャル・コイン・オファリング)ホットウォレット管理、ウォレット業者への新たな規制に対応するため「監督や監視を含めたところでの体制整備を求めるもの」と説明した。

金融庁は昨年8月、平成31年度(2019年4月~2020年3月31日)予算の概算要求の概要の中で、仮想通貨交換業者への対応強化のため、検査・監督を担当する人員を12名増やすことを要求していた。

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税制改正要望 仮想通貨の言及なし

また金融庁は30日、令和2年度の税制改正要望発表した税率が高い仮想通貨(暗号資産)への言及はなかった

2017年、国税庁は「仮想通貨での売買益は雑所得(総合課税)、他通貨に交換した時も課税、仮想通貨で商品・サービスを購入した時も課税」と発表。仮想通貨の税制改正については各団体から要望が出ている。

楽天の三木谷浩史社長が代表理事を務める新経済連盟は今年2月、総合課税(最大55%)から申告分離課税への変更 (税率は株やFXと同様に20%とする) と仮想通貨間の交換は非課税とすること、さらに損益通算や損失の繰越控除を可能とすることを要望した

また先月、日本仮想通貨交換業協会(JVCEA)も申告分離課税への変更、譲渡損失の損益通算や繰越控除を求めた。さらに日本仮想通貨ビジネス協会(JCBA)は、仮想通貨による少額決済を非課税扱いとすることなどを要望書にまとめた

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