FRB(連邦準備銀行)のパウエル議長は10日、議会証言の中で、今月の会合で10年ぶりとなる利下げを行う可能性が高いことを示唆する発言を繰り返した。ロイター通信が伝えた。FRBの金融緩和路線はビットコインにとって追い風になると見られている。

パウエル議長は、経済拡大のために「適切に行動する」と発言し、堅調だった6月の雇用統計や米中貿易戦争の休戦が利下げの判断を遅らせる材料に必ずしもならないという見解を示した。

米国の低い失業率がインフレにつながるのではないかという質問に対して、パウエル氏は全体的な価格の上昇圧力は「静か」であり、賃金の上昇率も控えめであると指摘。6月の雇用統計で堅調な労働市場が確認されたが、利下げをしても経済の加熱にはつながらないとみているようだ。

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また、米中貿易戦争が先月に休戦したことについて、パウエル氏は「不透明感を取り除くものではない」と発言した。

堅調な雇用統計や米中の休戦は、FRBが利下げを見送る要因として考えられてきた

コインテレグラフ日本版の取材に答えた仮想通貨取引所ビットメックスのアーサー・ヘイズCEOは、「米中貿易戦争の休戦がFRBの利下げを阻止することになれば、ビットコインとってマイナスになる可能性がある」と発言していた。

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