フランスの「ムッシュ・ビットコイン」ジャン=ピエール・ランダウ氏は5日に発表したレポートの中で、仮想通貨に対する行き過ぎた規制は3つの危険を伴うという考えを明らかにした。

 フランス政府の高官で大学教授でもあるランダウ氏は、レポートの中で「直接的な規制は望ましくない。本質的に流動的で正体が分からないものに対して定義したり分類するのは、それを抑制することになるからだ」とした上で、仮想通貨に対する行き過ぎた規制は3つの危険を伴うと主張した。

 「そこには3方向からの危険が伴う。法律で技術の急速な進化を止めてしまうこと、その性質を完全に把握していないのに規制してしまうこと、そして技術革新が規制を避ける方向性で進んでしまう事だ。一方、規制というのは技術的には中立になるべきだ。つまり、製品を対象にするのではなく人間を対象にするべきだ」

 またランダウ氏はレポートの中で「技術面」と「金融面」での革新について慎重に区別した上で、次のように述べた。

 「我々は、大いに推奨されるべき技術面での革新と慎重に取り扱われるべき金融面での革新を分けなければならない。現在のフェーズでは、仮想通貨とそれが可能にする技術革新をそのバーチャナルな領域で自由に発展させるべきだ。ただ同時に我々は好ましくない思想の蔓延は避けなければならない」

 ランダウ氏は、かつてビットコインを17世紀のオランダのチューリップに例えたことから、1月にフランスの仮想通貨規制に関する研究グループのトップになった際には業界関係者からひんしゅくを買っていた