FTX USの元社長ブレット・ハリソン氏は、FTX USの経営体制を再編するための解決策を提案した同僚を操り、脅迫したとして、サム・バンクマン=フリード氏を激しく非難している。

ハリソン氏はニューヨークのトレーディング会社ジェーン・ストリートでバンクマン=フリード氏と数年間一緒に働いた後、2021年3月にFTX USに「テキストで気軽に」採用されたという。

しかし、ハリソン氏がFTX USに在籍して6カ月が経過したころ、2人の間に「亀裂が入り始めた」ようだ。

ハリソン氏は、バンクマン=フリード氏が当初は「繊細で知的好奇心の強い人」とポジティブな印象を持っていた。しかし、ハリソン氏がFTX USに経営陣、開発者、法務チームの別支店を設立することを提案したとき、バンクマン=フリード氏と対立。「完全に不安で強硬」な姿勢を見せたという。

ハリソン氏は、バンクマン=フリード氏の不安定な行動の「劇的な変化の理由はわからない」としながらも、精神衛生上の問題が「一因」ではないかと考えている。

ハリソン氏は、FTX USの組織問題を解決しようとした際、バンクマン=フリード氏に、正式に謝罪がなければ「私のプロとしての評判を落とす」と脅かされたと回想した。

ハリソンは、この出来事で退職の決意を固めたと明らかにした。

バンクマン=フリード氏やFTXの同僚にかけられた詐欺容疑について、ハリソン氏は、同社が何十億ドルもの顧客資金を混同させて不正使用したとされることに目を奪われていたと語った。

「このような問題の根底には(私がこれまで見てきた他の成熟した企業では、ビジネスの成功にとって致命的ではないと思われていた)数十億ドル規模の不正行為があったとは想像もできなかった」

「もし、私たちの誰かが疑っていたなら、そして真実を知っていたなら、すぐに報告していただろう」と彼は付け加えた。

ハリソン氏は、FTXが壊滅的に崩壊する約5週間前の9月27日にFTX US社長を退任し、顧問的な役割に移行したと述べている。