「ビットコインの命運を握っているのは、トランプ大統領ではなく日本だ」

世界的な経済誌であるフォーブスが上記のタイトルで30日に記事を配信した。執筆者は、東京在住のジャーナリストであるウィリアム・ペセック氏だ。

トランプ大統領が「ビットコインのファンではない」などと発言して、仮想通貨に対してネガティブキャンペーンを仕掛けているが、ペセック氏にとっては、ビットコインやブロックチェーンが生き残るかどうかを決めるのはトランプ政権ではなく日本だ。G7のほとんどの国が仮想通貨の分野で「ブレーキを踏む」一方、日本だけが「市場を走らせ続けている」と分析した。

ペセック氏が注目したのは、麻生太郎財務相が先日の主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議でした発言。日本語の媒体ではほとんど報道されていないが、麻生氏は「信頼性を精査する必要あり」と発言した他に次のようにも述べたという

利用者は、(リブラを)国際送金などで使いやすいと考えるのではないか。現在のシステムより安いからだ

麻生氏は、仮想通貨が「本当に頼りになるかどうかは別問題」と付け加えた。

ペセック氏は、麻生氏の発言についてG7で「最も心が広い」と高く評価。米国のムニューシン財務長官が「安全保障上の脅威」と発言し、フランスの財務大臣がこれに「完全に共感」するなどG7ではリブラに対して逆風が吹く中、麻生氏の発言は際立っていたと指摘し、次のように総括した。

「日本政府高官が示しているのは、リブラや他のデジタルマネーの革新に対してドアを閉めるのではなく、より安定性があり信頼性がある業界に導くようにサポートしようというものだった」

また、AML(アンチマネーロンダリング)やKYC(顧客確認)とイノベーションのバランスを取る上でも卓越しているとペセック氏は日本に期待。仮想通貨の運命は「ホワイトハウス」ではなく「東京」で決められることになりそうだと締めくくった。