米連邦預金保険公社(FDIC)は、ビザやコインベースなどのフィンテック企業や仮想通貨業者向けサービスで知られるクロスリバーバンク(本拠・米ニュージャージー州)に対し貸付業務の弱点を適切に対処し「自己是正」するよう要求した。

FDICは4月28日、クロスリバーバンクと3月8日に締結した同意命令を公表し、2021年の適用法令に関する同行の遵守について「安全でない」または「不安定な」銀行業務を行ったと主張した。

クロスリバーバンクは同意命令を受け入れたが、2021年の調査報告書で発見された違反については認めも否定もしていない。

命令では、消費者保護法令に関連する「内部統制システム、情報システム、信用審査手続き、内部監査システム」の監督を強化するよう銀行に即時行動を取るよう求められている。また、公正な貸し付け法令の違反を速やかに「自己是正」することが求められている。さらに、同行は貸し付け活動の不備や弱点を適切に対処し、今後の再発を防ぐプロセスを作成するよう命じられた。

同意命令が公表される前日の4月27日、クロスリバーバンクのギル・ガドCEOはFDICの主張に言及せず声明を発表している。

FDICは3月8日にクロスリバーバンクとの同意命令を締結した。出典:FDIC

ガド氏は銀行に対する規制当局の監視が強化されており、クロスリバーバンクは「透明性と責任」を確保するために適切な対策を講じているとした。「クロスリバーバンクはこれらの銀行機関の中で最大であり、結果として、私たちのビジネスの一部分について規制検査官が継続的に調査を行っている」。

また「業界で最高水準のコンプライアンス、透明性、責任を維持するリーダーであることを誇りに思っている」とも書かれている。

ちなみ同意命令が銀行と締結されたのは、ステーブルコイン発行元であるサークルがクロスリバーバンクとの提携を発表した3月13日のわずか数日前だった。

サークルは以前の提携先銀行であったシリコンバレーバンクが3月11日に破綻したため、新たな提携先を模索していた。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン