前日の急騰から一転、ビットコインSVが急落している。過去24時間で20%超のマイナスで時価総額トップ10の中でも断トツの下げ幅となっている。仮想通貨業界の中からは”フェイクトシ”によるFOMO(取り残されることへの脅威、"Fear Of Missing Out”)だった可能性を指摘する声も出ている。

(出典:Coin360 日本時間1月16日18時15分)

とは言ってもビットコインSVは、年初来では194%のプラスだ。ビットコイン(BTC)は20%ほどのプラスとなっている。背景には、自称ビットコイン創設者で「ビットコインSVこそビットコイン」と主張するクレイグ・ライト氏の裁判をめぐる思惑があるとみられる。

今月14日、ライト氏が係争中の110万BTCのアクセスに必要な秘密鍵を手に入れたことを示唆する文書が裁判所に提出された。これを受ける形でビットコインSVは一段と急上昇。上昇相場に乗り遅れまいとするFOMOが発生したという見方が出ている。

ただ、ユーチューブのフォロワー数が32万以上いる仮想通貨インフルエンサーのニコラス・マーテン氏によると、ビットコインSV相場は仮装売買(ウォッシュ・トレーディング)で有名な取引所での取引高が大半を占めていたという。

「米国人トレーダーにオープンな取引所の取引高は3560万ドル(約39億円)で、他の99.4%の取引高は無名の取引所や仮装売買で有名な取引所のもの。業界を騙すために行われた。」

仮装売買とは、売買の意志がなににもかかわらず他のトレーダーを欺く目的で売買を行うことを指す。

サトシFOMOならぬ”フェイクトシ”FOMOだったのか、裁判の行方が注目される。

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