米国の特別買収目的会社(SPAC)の元最高財務責任者(CFO)が500万ドル(約6.8億円)を横領し、仮想通貨や「ミーム株」を取引したとして禁錮3年の判決を受けた。

米司法省の4月27日の声明によると、アフリカン・ゴールド・アクイジション・コーポレーション(AGAC)の元CFOコーパー・モーゲンソウ氏は2021年6月から2022年8月の間に3つの異なるSPACから、計500万ドル以上を横領した。

米証券取引委員会(SEC)の関連する民事訴訟によると、モーゲンソウ氏はアフリカン・ゴールドから約120万ドルを個人口座に送金し、仮想通貨やいわゆるミーム株の株式とオプションを取引した。

その結果、資金のほぼすべてを失った。

資金を失った後、モーゲンソウ氏はアフリカン・ゴールドの会計士や監査役に偽造された書類を提供し「重要な粉飾」をもたらした。

一方モーゲンソウ氏はアフリカン・ゴールドとは別のSPACから、新たにSPACを立ち上げるために資金を使うという詐欺的な主張に基づいて、民間投資家からさらに470万ドルを調達した。

モーゲンソウ氏は新たに調達した資金をアフリカン・ゴールドでの損失の穴埋めや、仮想通貨やミーム株のさらなる取引に使用したという。

2022年8月、アフリカン・ゴールド社はモーゲンソウ氏による横領を発見。同氏を解雇し、彼の不正行為をSECに通報した。

フロリダ州在住のモーゲンソウ氏は、1月3日に電信詐欺について有罪を認めた。禁錮3年の判決に加え510万ドルの追徴金と、さらに510万ドルの賠償金を支払うよう命じられた。

声明で、米国検事のダミアン・ウィリアムズ氏は「今日のコーパー・モーゲンソウ氏の判決により、SPAC市場での詐欺は罰せられることが示された。ウォール街での強欲は厳しい結果に直面することになる」と語った。