もしあなたが仮想通貨ビットコインを持ったまま死んでしまっても、愛する人にビットコインを届けられる。そんなサービスが登場した。

その名もファイナル・メッセージ(最後の伝言)。もしあなたが死んだり記憶喪失になったり誘拐されたりした時、指定した受取人がビットコインのマルチシグ(複数の秘密鍵による署名)の1つを受け取れる仕組みだ。受取人は、3番目の鍵によってビットコインにアクセスできる。

今年2月、カナダの仮想通貨取引所クアドリガCXの創業者が、コールドウォレット (オフラインで仮想通貨を管理するウォレット)の開け方を明かさないまま死亡していたことが明らかになった。このコールドウォレットにいくら仮想通貨が入っていたかは定かではないが、クアドリガは1億9000万カナダドル(約158億円)分の仮想通貨にアクセスできない状態に陥った。

クアドリガCXは、先日、正式に破産を発表した。ファイナル・メッセージを使えば、クアドリガCXのような悲劇は防げるのかもしれない。

ファイナル・メッセージの仕組みは以下の通りだ。

1.「スイッチ」を作成。
メッセージ・受取人を入力

2.ビットコインを払ってスイッチ・オン
50ドル分のビットコインでスイッチは1年間有効。

3. もし何か悪いことが起きたら、受取人にメッセージ
スイッチを更新しない場合、ファイナルメッセージが最悪の事態になったと想定し、あなたのメッセージを送信する。スイッチの有効期限に近づいたらリマインダーを出す。

4 受取人はパスワードでメッセージを復元
スイッチを作る際、受取人にパスワードを教え、安全に保管するように指示する。受取人はそのパスワードを使ってメッセージを復元する。パスワードのリセットはできない。