スペインのフィンテック企業MONEIが、スペイン銀行の監督下でユーロ建てのステーブルコインEURMの試験を開始した。

MONEIのウェブサイトに掲載された発表によると、1月にスペイン銀行が監督する規制サンドボックスでの試験が始まった。この試験は、エラーを最小限に抑えるために個人ユーザーのグループに限定されている。

試験ではEURMのトランザクション能力が検証される。ユーザーは自身の身元を確認し、ウォレットをアップロードし、自分のアカウントに最大10ユーロを入金し、それを10EURMと交換する。EURMは1ユーロにつき1EURMの割合で裏付けられ、BBVAやカイシャバンクなどのスペインの銀行に保管されている。

MONEIの最高経営責任者(CEO)であるアレックス・サイズ・ベルダゲール氏は、この試験を「支払いの完全なデジタル化に向けた私たちの道のりの新たな一歩」と呼んだ。彼は、新しいステーブルコインがこれまでになく「より安全で、プログラマブルで、経済的で、民主的で、自由化された」方法でお金を送る機会を提供すると信じている。

発表では、EURMが「ミリ秒単位」で携帯電話にアクセスできる2人の間の取引を容易にするとしている。同時に、手数料は取引ごとに「1000分の1ユーロ」になるだろう。ステーブルコインのインフラには、リアルタイムで「ロボットの指示に基づいた」月給や日給の支払い、生産性ボーナスなど、企業向けのいくつかのオプションも含まれている。

スペイン銀行は、2022年に自身のホールセール中央銀行デジタル通貨(CBDC)プログラムの開始を発表した。後にMONEIのベルダゲール氏は、EURMがスペイン銀行の好ましい技術になる可能性を示唆したが、2024年1月には、スペイン銀行がセカバンク、アバンカ、アダラ・ブロックチェーンとの別のテストを発表した

スペインのCBDCプログラムは、実施されればユーロ圏全体の経済をカバーするデジタルユーロプロジェクトとは独立している。一方で、スペイン経済省およびデジタル変革省は、期限の6ヶ月前に欧州連合の暗号資産市場規制を実施すると発表した。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン