先週米中両国は第1段階の合意に達し、12月15日から実施予定だったスマートフォンなど1600億ドル相当の関税引き上げは見送られ、実施されていた1200億ドル相当への15%の関税率を半減することになった。ただし2500億ドル相当への25%関税は維持されている。中国も合意を発表したが、合意文書は精査している段階で、農産物購入については詳細を後日発表する。米中両国の署名は1月の見通しだ。また、ライトハイザー通商代表は第2段階協議の日程は未定と述べ、「第1段階をどのように実行に移すかにも、第2段階は左右される」と発言した。

米中合意に加え、英保守党が選挙で勝利し、ようやくブレグジットが推進されることになったことも好感されたが、米株式市場は小幅高に留まり、ダウ平均は0.01%高で終了した。独DAXは0.46%高。米中合意の関税引き下げが予想より狭い範囲だったことに加え、中国の農産物購入額が不明ということなどもあり米中合意の詳細を見極めたいという投資家が多かったようだ。

その他、中国の呉ドイツ大使が、ドイツが5Gのサプライヤーからファーウェイを除くなら報復することを明言し、ドイツの動きを牽制している。

米10年債利回りは一時大きく上昇したものの0.003%高の1.824%で終了している。ユーロドルも一時大きく上昇したが押し戻され1.1119で終了している。ユーロ円も同様の動きとなり高値122.67もあったが、121.64まで押し戻された。

ユーロ円 テクニカル分析と相場見通し

今日のユーロ円予想レンジ
121.30~122.30

米中合意の詳細が判明するまで、上値の重い展開だろう。先週金曜日は大きな上髭を残して終了しており、122.67円の高値を再度目指すには多少時間がかかる可能性もある。とはいえ、9月3日を起点とする上昇チャネルの中で推移しており、20日移動平均線と100日移動平均線も上向きと、上昇トレンドを維持している。本日はもみあいが続く可能性があるが、下げても200日移動平均線(121.34)が支えとなるだろう。