欧州連合(EU)は、2024年までに仮想通貨(暗号資産)やブロックチェーン技術に関する規制を実施するようだ。

ロイター通信が18日に報じた内部文書によると、EUは今後4年間で、国際送金におけるブロックチェーンとデジタル資産の利用を促進する新たな規制を固めることを目指している。今後、新たなルール策定に向けた法律の草案を提案するという。

文書には詳細が記されている。

「2024年までに、EUは金融セクターにおける分散型台帳技術(DLT)と仮想通貨の利用を可能にする包括的な枠組みを整備すべきである。(中略)また、これらの技術に関連するリスクにも対処すべきである。」

ロイター通信によると、欧州の人口の約80%が紙幣を使って取引しいることから、欧州連合の政策決定機関である欧州委員会は、デジタル決済がより一般的になることを望んでいる一方で、取引時間の短縮化を目指しているという。

欧州委員会が報告している目標には、データアクセスの増加、金融活動の可用性の向上などが含まれており、効率性の向上を目指している。「2024年までに、デジタル・ファイナンスの可能性が高いすべての分野でパスポート化とワンストップ・ショップ・ライセンスの原則が適用されるべきである」と文書は指摘している。今後1年間は、高速な取引手段がこれらを引き継ぐ可能性が高いとロイターは付け加えている。

また、4年以内に新規顧客がアンチマネーロンダリング(AML)対策における本人確認を完了させれば、金融サービスをすぐに利用できるルールを整備すべきだ」とした。

新型コロナウイルスの流行は、世界中でデジタル決済への適応を加速させた。ブロックチェーンと仮想通貨は、決済インフラを合理化するため多くの国が中央銀行デジタル通貨(CBDC)に注目し、規制当局の話題となっている。

ステーブルコインにも規制求める共同声明

EUでは9月、ドイツやフランスなど主要5カ国がステーブルコインに厳しい規制を求める共同声明を出している。法律や規制上の問題が解決するまでは欧州連合(EU)内での発行を認めないことや、準備金の運用などにも厳しい制限を課すという。

声明文にはデジタル通貨が金融の安定や決済の効率性、公正な競争などを損なってはならないという原則を明記。消費者保護や金融政策の主権を保全する目的があるという。

ステーブルコインがEU内で運用される場合は、ユーロや他のEU諸国が発行する法定通貨に1対1でペッグされることを求めている。さらに裏付け資産(準備金)をEUが認定した金融機関に預けることを求めた。さらに換金の要請には迅速に応じなければならないとした。ステーブルコイン計画に関連する全ての企業や団体などはEU域内で登録されている必要があるという。

フランスのルメール経済・財務相は「中央銀行だけが通貨発行の許可を得られる」とし、フェイスブックの仮想通貨リブラが通貨を発行することを認めないという姿勢を強調した。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン