主要な指標の1つは、イーサリアム(ETH)がビットコイン(BTC)よりも、最初の5年間での採用と成長の速度がはるかに速いことを示唆している。

Picture 1

出典: Cointelegraph, Glassnode, Etherscan.ビットコインとイーサリアムの両方のn日後のアドレスの総数の比較

ビットコインとイーサリアムの2つのブロックチェーンネットワークで、最初の5年間に作成されたアドレスの総数を比較してみた。アドレスの数は採用の1つの目安となるが、様々な理由で完全ではない場合がある。1つの理由は、2つのネットワークのアカウンティングシステムが異なる点だ。

Picture 2

出典: Cointelegraph, Glassnode, Etherscan.イーサリアムとビットコインの最初の5年間のアドレス総数

最初の600日では、2つのネットワークの成長率は非常に似ている。しかし、2017年半ばまでに、イーサリアムの曲線はより急勾配となっている。最も明白な説明はICO(イニシャル・コイン・オファリング)のブームだ。数千のERC-20トークンの作成とその後の配布と取引により、イーサリアムのアドレス作成率が大幅に向上した。

イーサリアムが最初から持っていたもう1つの利点は、それがビットコインやほかの仮想通貨の肩の上に立つことができたということだ。一方、ビットコインは世界初の分散型電子通貨だった。ビットコインの採用はゆっくりと段階的なっものだった。その曲線では、ICOのブームのような急上昇はなかった。

イーサリアムベースのトークンも好調

仮想通貨(暗号資産)市場データ分析のメサーリ(Messari)が発表したデータによると、イーサリアム(ETH)ベースの資産全体の平均パフォーマンスは、年初来でほぼ130%上昇していることがわかった。

データは現在、イーサリアムブロックチェーン上に存在する178個の資産についてまとめたものだ。合計の時価総額は637億ドルで、仮想通貨市場全体の時価総額の20%にあたる。

ステーブルコインを含め、124個の資産が年初来で上昇を記録している。新型コロナウィルス(COVID-19)のパンデミックがグローバル経済にショックを与えたにもかかわらず、イーサリアムベースのトークンの約70%で価格が上昇したことになる。

イーサリアムベースのトークンのうち、主要な分散型金融(DeFi)プロトコルのバンコ―ル(BNT)やカイバーネットワーク(KYC)といった10個のトークンでは、年初来で500%以上の上昇となっている。

イーサリアムベースの市場の3分の1は、年初来で価格が2倍以上となった。イーサ(ETH)自体はイーサリアムベースのトークンの中では41番目に強力なパフォーマンスを示したものとなており、年初来で142%の上昇となっている。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン