イーサリアムネットワークのガス料金(手数料)が、8ヶ月ぶりの高値に達した。ERC-404と呼ばれる新しい非公式な実験的なトークン規格への関心の高まりを受けたものとみられる。
2月9日、イーサリアムネットワークのガス価格は平均70gwei(標準的なトランザクションで60ドル)に達し、ピーク時には377gweiまで上昇した。これは2023年5月12日以来の高値だ。
ガス価格上昇の原因は様々な要因が考えられるが、仮想通貨業界全体でERC-404トークン規格に対する注目度が高まっている中で急騰した。

ERC-404は、2月5日にPandoraと呼ばれるプロジェクトが実験的な規格を立ち上げたことから始まった。その後、6,100%以上上昇し、取引量は4億7,400万ドルを超えた。
ERC-404は、ノンファンジブルトークン(NFT)規格であるERC-721をERC-20に結合することを目的としている。一部の専門家は「フラクショナライズド(fractionalized NFT:断片化されたNFT)」と呼んでいる。これは、複数のウォレットが1つのNFTの一部を所有し、その一部分をトレードしたり、ステーキングしてローンに利用したりすることを可能にすることに由来する。
なお、新しいトークン規格には「ERC」という頭文字が付いているが、正式な名称ではない。
ガス料金を400%削減?
Pandoraプロジェクトの開発者の一人である「ctrl」氏は2月9日、コインテレグラフの取材に対し、チームはガス料金の「大幅に削減」に取り組んでいると語った。
「私たちはガス料金の最適化に取り組んでいる。なぜなら、これは普及とプロトコルの統合にとって重要な要素だからだ。場合によっては、ガス料金を300%から400%削減できる可能性がある」
しかし、ガス監査会社ガスライトの共同創設者であるPopPunk氏によると、ERC-404トークンは現在、平均的なNFTトランザクションに必要なガスの約3倍を使用するという。
An average ERC404 transfer is 125,000 gas units.
— Pop Punk (@PopPunkOnChain) February 6, 2024
More than 3x the gas of an average ERC721A transfer.
This is nightmare fuel.
Gaslite could either:
1) build a more optimized (and more compliant version of this standard)
2) ignore it and let it fade into the ether
2月9日のネットワーク使用量の多くは、分散型取引所ユニスワップでの活動の急増によるものだ。

仮想通貨アグリゲーターであるバードアイのデータによると、この活動の大部分は、Pandora、DeFrogs、および他のERC-404プロジェクトによって生成された取引量に起因している。これらのプロジェクトは、過去1週間で合計6億ドル以上の取引量を記録した。