イーサリアム、マイニング関連の問題解決のため過去最大級のネットワーク変更へ

 イーサリアム(ETH)の開発者らは20日、イーサリアム改善提案(EIP)#1011を発表した。ネットワークが仮想通貨のマイニングに関連する問題を回避できるように、ハイブリッドな合意システムを開発する。イーサリアム・ニュースによると、キャスパーへのアップデートは、これまでで最も重要なネットワークの変更という。

 提案では、「ハイブリッド・キャスパー(FFG)」というネットワークのアップデートについて詳しく説明している。このアップデートにより、コンセンサス・アルゴリズムのプルーフ・オブ・ワーク(PoW)とプルーフ・オブ・ステーク(PoS)が組み合わされる。そして、いずれはPoSへと完全に移行することを目的としている。

 EIPの説明によると、この変更のパラメーターによって、マイナーに支払われる報賞は、現在の3ETHから0.6ETHへと減少する。

 「PoWのブロック報酬は1ブロックあたり0.6ETHへと減ることになる。なぜならブロックチェーンのセキュリティが、PoWの難易度からPoSのファイナリティへと変わり、そして、検証を行なうバリデーターとマイナーの双方に報賞が支払われるようになるからである」

 提案の動機についてイーサリアムの開発者らは、アップデートの最終的な目標は、ネットワークのシステムをPoWからPoSへと移行することだと表明し、次のように述べた。

「イーサリアムのネットワークをPoWからPoSへと移行させることは、(イーサリアムの)プロトコルを立ち上げた時から、工程表やイエローペーパーにあったことだ。PoWは、コンセンサスの分散という点では効果的だとしても、大量の電力を消費し、経済的なファイナリティがなく、カルテル形成に立ち向かう効果的な戦略もない。過剰なエネルギー消費、マイニングハードウェアへの平等なアクセス、マイニングプールの中央集権化、ASIC(特定用途向け集積回路)の新興市場といった問題が、PoSへ移行する動機だ」

 PoWはブロックチェーンネットワークの元々のコンセンサスアルゴリズムで、ビットコイン(BTC)に利用されていることがよく知られている。PoWのコンセンサスでは、マイナーたちはブロックチェーン上の決済を検証するためにお互いに競い合い、自身がマイニングを行なっている仮想通貨で報賞を受け取る。

 プルーフ・オブ・ステーク(PoS)は、ビットコインのマイニングの大量の電力消費などの問題を解決するために、12年にサニー・キング氏とスコット・ナダル氏によって初めて導入された。デジタルウォレットに所有するコインの量に応じてノードを選択するという別の取引検証の仕組みを提示した。

 コインテレグラフは、4月初め、イーサリアムの開発者らが、イーサリアムをマイニングするASICを無効化するためにハードフォークを行なうことを検討していると伝えた。しかし、キャスパー(FFG)を導入するため、ハードフォークの考えを取り下げた。「これはビットコインではない。マイナーたちは管理されていない。彼らが悪質になれば、キャスパーの開発を速めるだけだ」と、4月初旬のイーサリアムのコア開発者の会議で、イーサリアムの共同創始者であるヴィタリック・ブテリン氏は発言している