仮想通貨相場は2月17日に大幅急落したが、18日の未明から反転攻勢を開始した。とりわけ時価総額2位の仮想通貨イーサ(ETH)は過去24時間で6%近くのプラスしており相場全体を牽引している。

(出典:Coin360 日本時間2月18日18時時点)

イーサは17日に一時240ドル台まで下落したが、現在は270ドル付近まで回復。再び300ドルを目指して上昇を始めた。ビットコイン(BTC)は9500ドルをサポートに反発。現在は9735ドル付近で取引をしている。時価総額3位のXRPは2%近くのプラス。心理的に重要な0.3ドルは下回ったままだ。

ザ・サンドボックスの躍進

最近のイーサ高騰の背景にあげられるのは、イーサリアム活用の代名詞的な存在となった分散型金融(DeFi)の急成長だ。DeFiにロックアップされた資金は、2月18日時点で11億5100万ドル(約1260億円)。下落トレンドに歯止めをかけた。

(出典:DeFi Pulse「DeFi用にロックアップされた資金(米ドル)」)

DeFiは、分散型ネットワークを使ったレンディングやデリバティブ、支払いサービスを指す。ロックアップ資金は、融資や金利の獲得、ステーブルコインの発行など様々な用途に使われる。

ロックアップのためにイーサが必要になれば、購入できるイーサが減少するため、イーサ/米ドルには上昇圧力となるという見方がある。

また、イーサリアムを基盤にしたブロックチェーンゲームも好調だ。

ザ・サンドボックスは、「メタバース」と呼ぶ仮想空間上のランド(土地)の2回目の競売を開催。4時間で800ETH(約2320万円)が売れたと発表した。ランドは、イーサリアム基盤のNFT(ノンファンジブルトークン、非代替トークン)であり、今回の競売はブロックチェーンゲームにおけるNFTへの需要の高さを改めて示した。

NFTとはその名の通り、1つ1つが固有の価値を持つトークンだ。

ザ・サンドボックスの利用者は、ランドを持つことで所有権を持つ。ゲームの土地の所有権をゲーム会社からプレイヤーに移譲するという画期的な取り組みだ。利用者はランドを使って自分が好きなゲームを作成し収益化を目指せる。

ビットコインの調整「通常通り」

ビットコインは17日に一時9500ドル付近まで下落した。

クオンタムエコのミックス創業者のマティ・グリーンスパン氏は、年初来からの高騰ぶりをみれば今回の調整は通常通りだったのではないかとみている。

また、テクニカル的にみてもビットコインは上方チャネルの底(もしくはわずかに下回ったところ)にあるに過ぎないと楽観視した。

(出典:Quantam Economics「ビットコインの上方チャネル」)

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