分散型ゲームのプラットフォームであるザ・サンドボックス(The Sandbox)が先週末に日本語版のダッシュボードを立ち上げた。日本の大手ゲーム会社とも提携関係を進めており、すぐに大きなパートナーシップの発表をする見込みだ。

サンドボックスは、ゲームキャラクターなどをノンファンジブルトークン(NFTs)として作成・マネタイズできるプラットフォーム。韓国の大手仮想通貨ファンドHashedなどから出資を受けている。

利用者はVoxEditを使って独自のNFTの資産(ボクセル・アート)を作成し、マーケットプレイスで販売。独自トークンであるサンド(Sand)を稼げる仕組みとなっている。利用者が主体となって格闘技やレーシングなど様々なジャンルのゲームやコンテストを作成・開催することが可能だ。

(出典:The Sandbox 「マーケットプレイス」)

また、供給量が限られているランド(Land)を使ったマネタイズもできる。

今回立ち上げられたダッシュボードでは、ウォレットとの接続が可能になった。すでに約1000のウォレットが登録されたという。また、すでにマーケットプレースにある資産などのプレビューができる。

ザ・サンドボックス共同創業者兼COOのセバスチャン・ボーゲット氏は、コインテレグラフ日本版の取材に答え、「まだ資産をNFTsとしてブロックチェーン上に登録できていないが、仮想通貨業界の人々ではなく、ゲーマーやアーティストの間でブロックチェーン技術を普及させている」と自信を見せた。

資産がオンチェーン上で登録されるのは「年末にかけて」を予定している。登録後は資産をサンドボックスやセカンダリーマーケットで売買できるようになる。

また、ランドのプレセールも第4四半期中(10-12月期)に行う見込みだ。

ノンファンジブル・トークン(NFT)とは、「ノンファンジブル(代替不可能)」とあるように、1つ1つが固有の価値を持つ。

伝統的なゲームとの違い

サンドボックスは、ゲーム運営社側が関与しないゲームプレイヤーによるゲームの自律的な発展を目指している。

我々が大切にしているのは、利用者が作ったコンテンツだ

ボーゲッド氏が伝統的なゲームとの違いで強調したのは上記の点だ。「利用者を啓蒙し、自分自身のコンテンツを作るように働きかける」ことにボーゲット氏は意義があると感じている。

すでにあるブロックチェーンゲームのほとんどを含め伝統的なゲームは、ゲームの運営会社が作ったキャラクターで利用者が楽しむ仕組み。例えばどのキャラクターが「伝説のキャラクター」かを決めたり何人存在するのかを決めるのは全て運営会社だ。

また、ザ・サンドボックスのマーケティングトップ、ネイサン・セクサー氏は、NFT資産を使うことで「利用者に本物の所有権を与えられる」と指摘。「アーティストがゲームを使って簡単にマネタイズできる方法を提供している」と強調した。

本物の所有権とマネタイズが2つの大きな特徴だ」

日本市場の重要性

ボーゲッド氏は、「普及率や技術、プレイヤー数などから日本はゲーマーにとって一番大きな市場だ」と指摘。またゲームのアーティストやクリエーターにとっても大事な市場だとみている。「ビデオゲームが誕生した国だからね」と敬意を表する。

同氏は、日本のアーティストやクリエーター、ゲーマーと一緒にコミュニティーを作り上げていくことに意欲を見せた。

また、ザ・サンドボックスは、日本の大手ゲーム会社とも提携を進めている。

セクサー氏は、「我々はすぐに日本での大きなパートナーを発表するよ」と述べた。