ビットコインキャッシュのハードフォーク、米トレーディング企業が示す3つのシナリオ

日本時間11月16日 午前1時40分に予定されているビットコインキャッシュのハードフォーク。どんなシナリオが考えられるのだろうか?

「ビットコイン伝道師」ロジャー・バー氏やビットメインのジハン・ウー氏が支持するビットコインABCと、自称サトシ・ナカモトのクレイグ・ライト氏が牽引するビットコインSVがビットコインキャッシュのアップグレードをめぐって対立。アップグレードが成功するには、マイナーの間で合意を形成する必要があるが、マイニングプールはビットコインABC派とビットコインSV派に分かれている。もしマイナーの間で合意形成に失敗すれば、ビットコインキャッシュ二つの仮想通貨に分裂することになる。

テック系メディアのThe Informationが入手した高速取引業者DRWの未公表のレポートによると、ハードフォークには3つのシナリオが考えられるという。

紳士協定:ビットコインABCが過半数のマイナーの支持を獲得し、ビットコインキャッシュのブランドを継承。ビットコインSVの提案は、支持者がビットコインABCに移行する中、効力を失う。

フリーコイン:二つの仮想通貨に分裂する場合、ビットコインABCが過半数を獲得するものの、ビットコインSVの支持者が損失を出しながらもマイニングを続け、消費者や取引所から支持を得られるのを待つ。少しあり得なさそうな道としては、ビットコインSVが過半数のサポートを獲得し、ビットコインキャッシュ のデフォルトになる。

トランザクション戦争:あり得なさそうなシナリオだが、もしビットコインSVの支持者が十分なハッシュレートを確保したら、理論的にはビットコインABCのネットワークを攻撃することが可能だ。その結果、ビットコインSVと併合させて、ビットコインSVのソフトウェアを使う一つのネットワークが生まれる」

CoinDanceによれば、ABCとSVとのハッシュレートの状況は、SV側とされるコインギークやSVプールやBMGプールの3者で70%超のハッシュレートを有している状況だ。そして自称サトシのクレイグ氏は、ABCの支持者であるバー氏に「戦争をしたいのか」と挑発的な言葉を投げつけている

ビットコイン研究所の大石哲之氏はブログ上で、あくまで「極端なシナリオ」だとしつつ、SV側による空ブロック生成やスパム攻撃による可能性を論じている。ただ実際にはこれほど極端な形にはならず、大人なABC側がリプレイプロテクションを導入し、再フォークを実施。BCHのティッカーを引き継ぐABCと、SVとが完全に分離すると予測する

国内外の各取引所は入出金停止などの措置を講じて、ハードフォークに備えている状況だ。大きな混乱ともなれば、ユーザーが長期間にわたって出金できない状況もあり得る。果たして「紳士協定」、「フリーコイン」、それとも「戦争」となるのか、ハードフォークの行方を固唾を飲んで見守ることになりそうだ。