ビットコイン(BTC)からアルトコインへの資金回転が続く中、BTCを除いた仮想通貨の時価総額を示すTOTAL2は7月18日、1.5兆ドルに達した。この水準は、2025年1月以来の水準だ。

市場は一時的にこのレンジで足踏みする可能性もあるが、長期的には1.5兆ドルを突破し、過去最高となる1.72兆ドルの水準への上昇が視野に入る。今月の終値が1.51兆ドルを上回れば、アルトコイン指数として過去最高の月間終値となる。

TOTAL2の時価総額 Source: Cointelegraph/TradingView

ステーブルコイン急騰がアルトシーズンを後押し

2025年6月におけるバイナンスのUSDTおよびUSDC残高は310億ドルに達し、待機資金の多さが浮き彫りになった。この流動性はその後も継続しており、バイナンスやHTXといった中央集権型取引所には、今週だけでそれぞれ8億9500万ドル、8億1900万ドルのステーブルコインが流入している。

バイナンスとHTXへのステーブルコイン流入 Source: CryptoQuant

7月16日には、USDTを中心に20億ドル超のステーブルコインが大手デリバティブ取引所に預けられ、トレーダーによるレバレッジ取引の意欲が顕在化した。テザーによる新規発行もこうした機関投資家のリスク志向の高まりを裏付けている。

バイナンスは引き続き世界の取引高の55%以上を占め、1日あたりの取引高は80億ドルを超える中、クジラによるBTCの預け入れは22億5000万ドル減少しており、売却圧力の後退を示唆している。これにより、アルトコイン市場への資金移動の余地が広がっている。

ビットコインが依然として流動性の中心にある一方で、機関投資家や大口トレーダーの間では、次の大規模なアルトコイン上昇を見越した動きがすでに始まっていると考えられる。

アルトシーズンはまだ序盤か

イーサリアムを除く広範なアルトコイン市場(TOTAL3)は、現在およそ1兆ドルの規模で推移しており、多くのアナリストは、歴史的なアルトシーズンの初期段階にあると指摘している。ある市場関係者は、今回のサイクルでアルトコインの時価総額が最大で5兆ドルに達する可能性があると述べており、これは400%の上昇余地に相当する。

匿名の仮想通貨アナリストであるマグス氏は、アルトコイン市場には特有のサイクルがあり、長期的な保ち合いからのブレイクアウトに始まり、徐々に上昇トレンドに移行すると説明している。中でも最も急激な上昇は最後の局面で発生し、数本の月足のローソク足に圧縮された垂直的な急騰によって生じる。このフェーズこそが、最短期間で最大のリターンを生むことが多く、遅れて参入した投資家が不意を突かれる場面でもある。

TOTAL3の時価総額の予測 Source: X

こうした見方を裏付ける材料として、アルトシーズン・インデックスがある。30日指数は75を上回っており、アルトコインへの資金回転の初動を示しているが、60日指数は依然として低調にとどまっている。これは、長期にわたってビットコインをアウトパフォームしているアルトコインがまだ限られていることを示唆している。

センチメントの改善と資金の流入が続く中で、アナリストたちは依然として上昇余地は大きいとしながらも、その動きを最大限に活かすには、タイミングと戦略的な立ち回りが重要だと指摘している。

アルトシーズンインデックス . Source: Alphractal/X

本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。

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