アルトコイン市場の活況が加速するなか、バイナンスの先物取引高が7月22日に1007億ドルに達し、2025年2月3日以来の高水準を記録した。7月のビットコイン(BTC)の最高値更新を受け、個人投資家の関心がアルトコインへと一気にシフトしている。
仮想通貨アナリストのマールトゥン氏によれば、ビットコインの取引量が比較的安定している一方で、アルトコインは明確な取引急増が見られるという。7月22日時点で、バイナンス先物全体におけるアルトコインの取引比率は71%に達しており、ビットコインからの注目の移行が鮮明になっている。
この動きの中心にあるのがバイナンスだ。スポット市場では、中央集権型取引所(CEX)全体におけるアルトコインの取引高が576億ドルに達し、そのうちバイナンスが占めたのは240億ドル。これは世界シェアの41.5%にあたり、スポット取引においてもアルトシーズンの支配的存在であることが示されている。
オンチェーンデータが示すビットコインの利確兆候
オンチェーンの資金移動では、2024年7月以来で最大規模となる3万2000BTC以上が中央集権型取引所に流入。これは大口保有者による利益確定が進行している可能性を示唆している。
こうした取引所への流入急増は、過去にもビットコインの調整局面の前兆となったケースがあり、資金がアルトコインにローテーションするための土台になることも多い。
ビットコインの流入が続けば、市場のボラティリティはさらに高まり、特にアルトコインへの資金流入が続く限り、アルト市場の上昇に拍車がかかる可能性がある。
ただし、仮想通貨アナリストのティモ・オイノネン氏は、資金流入の恩恵を受けるのはごく一部のトークンに限られると警鐘を鳴らす。
オイノネン氏は、トロン(TRX)を“選別型アルトシーズン”の先行指標として挙げ、3月以降ビットコインを上回るパフォーマンスを継続している点に注目。BTCが年初来で依然トップのリターンを維持しているなかで、TRXが独自の上昇トレンドに入っているのは、市場の資金がハイベータ資産に移りつつある兆候だという。
こうした“ビットコインとの乖離”は過去のアルトシーズン初動でも頻繁に見られた動きであり、現在も同様のサイクルが進行中である可能性が高い。
現在、仮想通貨市場には4340万件を超えるトークン契約が展開されており、市場の取引環境はかつてないほど過密化している。このことは、今後のアルトシーズンが全体上昇型ではなく、「ファンダメンタルズに裏付けられた銘柄」あるいは「話題性に富んだトークン」のみに資金が集中する、断片化された相場展開になることを示唆している。
本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。
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