著者 DMM Bitcoin マーケットレポート

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・下落トレンド中のETH

ETH/JPY 日足Bidチャート(当社取引ツールより作成)

上図は、去年9月から現在までのETH/JPYの日足チャートである。

直近のETH/JPYは、4/16に28万円の高値をつけた後下落、4/26には一時23万円の安値まで売り込まれるものの、5/6には再度26万円まで反発した。

25万円を上回る水準は過熱感が意識されるのか、5/12には22万円の安値をつけた後、現在は25万円付近での水準となっている。

チャートを俯瞰してみると、高値の切り下げ安値の更新を見せており、三角持ち合いを形成しつつあり、次のトレンドに向けて地固めをしている状況だ。

ファンダメンタル的な要素としては、米国の債務上限問題が取り沙汰されている。

しかし、この話題は過去何度も議題に上がる話でもあり、市場では単なる政治的な意味合いを持ったパフォーマンスと取られているという意見も散見される。

それよりも注目されているのは、今年中に利下げが実現する可能性についてだろう。

前回のFOMC(連邦公開市場委員会)会合では、米国の地方銀行の経営破綻による金融不安が市場に危機感を与えている中、FRB(連邦準備理事会)が今年中の利上げの可能性に触れていた。

5月に入り、市場参加者の間では、利上げ打ち止めとの見方が強まり、年内に利下げするとの見方まであるが、5/3のパウエル議長のFOMC後の会見では「インフレ低下に時間がかかるというわれわれの見解を踏まえると、利下げは適切でない」(5/4 ロイター)としていた。

また、仮に利上げを打ち止めたとしても、銀行破綻だけが動機でなく、景気後退懸念への対応だったとも考えられる。

そもそも地方銀行の破綻に始まる金融不安の原因は、金利上昇による債券評価損の拡大による自滅と、これをリスクオフと見た市井の人々による地銀セクターからの資金引き上げである。

ただし、金利の上昇は銀行にとって貸付金利の上昇による融資利益率の改善というモチベーションのもと、貸出先の選別から利益率の低い事業の淘汰という経済最適化の利点もあり、一概に経済にマイナスとは言い切れない。

したがって、利下げが行われるかどうかは、現在のインフレがどの程度抑えられるかが重要な指標となる。現在はインフレ率が目標の2%には遠く及んでおらず、利下げが今年中だと判断してしまうには時期尚早かもしれない。

利下げが行われれば、リスク資産であるETH/JPYには追い風となるため今後の動向には引き続き注目したい。

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