中国人民銀行(中央銀行)の易綱(イ・コウ)総裁は、デジタル人民元発行までの公式スケジュールはまだないと発言した。

開催中の全国人民代表大会(全人代)に合わせて行われたフィナンシャル・タイムズとチャイナ・ファイナンスとのインタビューの中で、易綱総裁は、「システムの安定性や性能を検証している」と発言。正式な発行時期について「具体的なスケジュールはない」と述べた。

ただ、既報の通り、デジタル人民元の試験運用を広東省深セン市と江蘇省蘇州市、四川省成都市、北京近郊で建設中の新都市「雄安新区」、2022年北京冬季五輪の会場付近で行なっていることを認めた。

2022年冬季五輪でのテストは「理論的な確実性とシステム的な安定性」を証明することが目的だという。

デジタル通貨の発行の意義については「デジタル経済という条件下で法定通貨への需要を効率的に満たすものだ」と述べた。

中国人民銀行は2014年にデジタル人民元の研究を開始。易綱総裁は、「基本的にトップレベルのデザイン、スタンダードの形成、機能開発、デバックのテストなど」は終えていることを明かした。

翻訳・編集 コインテレグラフ ジャパン