すべてのマイニング設備を合わせるとアイスランド一国よりも多くの電力を使用するところまで、デジタル通貨は成長した。しかし、仮想通貨の時価総額は、他の伝統的な市場と比べてまだ小さい。ゆえに、デジタル通貨の電力消費は、デジタル通貨の採用率が現在のペースで増加し続けると持続不可能になる可能性がある。
採掘の難易度が高い
Bitcoinのマイニングの難易度は、2016ブロックごとに各ブロック約10分になるよう調整されている。より多くのマイニング能力がオンラインに移るにつれて、難易度も上がっていく。従って、ネットワークのコンピューティングパワーの増加に比例して、難易度が増加する。
イーサリアムとBitcoinの両方のマイニングの難易度は、指数関数的に伸びている。この傾向は、これらの仮想通貨の採用率が増えるにつれて続くだろう。したがって、デジタル通貨のマイナーは、より強力な採掘設備を絶えず取得しなければならない。ゆえに、誰もが自分のパソコンでBitcoinを掘り起こすことができる時代は終わった。
ますます中央集権化が進む
マイニング難易度の上昇は、マイナーが新しい強力な採掘設備を購入し続けることを強要する。この問題は、マイニングをすることができるスーパーコンピュータが非常に高価であるため、お金ををたくさん持つ人だけが参加することができることを意味する。また、マイニングはスケールが大きいほど利益をだし、小規模マイナーの競争力をさらに制限している。
このため、マイニングは集中化が進んでいるている。 Antoolという仮想通貨を採掘する企業はBitcoinネットワークのハッシュパワーの17.82%を管理していると主張している。ほとんどのマイニング会社は、電力と労働のコストが低い中国に位置している。
地球に優しい代替手段
ブロックチェーンネットワークのハッシュレートが増加し続けるにつれて、採掘をするハードウェアの量は増加し続けるだろう。これらの採掘コンピュータは膨大な量のエネルギーを消費するが、仮想通貨市場全体の規模は比較的小さい。
デジタル通貨が主流になった場合、どれくらいの電力が採掘に使われるか想像すらできない。残念ながら、これらの電力は通常、再生不可能なエネルギー源から来ており、気候変動に寄与している。
オーストリアの会社HydroMinerは、再生可能エネルギーを使用して採掘をより持続可能かつ収益性の高いものにしようと試みる数少ない採掘会社の1つだ。 HydroMiner社のCEO、Nadine Damblonは、CoinNoobのインタビューで、「すでにマイニングに太陽エネルギーを使用している企業もがあるが、水力発電の方が安定している」と指摘する。なぜなら、「水が採掘設備を冷やすことができるから」だ。
Proof of Stake(PoS)
Proof of Stake(PoS)ネットワークでは、すべてのバリデーターはネットワークの一部を所有している。これは、すべてのバリデーターが高価な採掘設備を所有する必要があるProof of Work(PoW)とは大きく異なる。また、PoSは、すべての通貨保有者が所有する通貨の額に比例してネットワークのセキュリティへの額の支払いに関与しているため、ネットワークの分散化を促進している。さらに、PoSは困難な計算をする必要がないため、エネルギーの使い方が非常に効率的だ。
しかし、PoSにはいくつかの欠点があり、最も深刻なのは「何も問題にならない」問題だ。 PoSを使用している敵対的なネットワークが、ブロックチェーンを自らブロックチェーンで置き換えることを試みるとする。実はこれ、経済的には大変合理的だ。なぜなら、両方で採掘を行っても何の費用もかからないからだ。
実際攻撃主が成功した場合、これは賢明な判断になる。PoWでは採掘機械は一度に1つのネットワークでしか使用できず、高価な電力を消費しているため、採掘会社は代わりに1つのチェーンまたは他のものを採掘することに決めなければならない。
Bitcoin Blockchainのブロックは、常にPoWを通して検証される。しかし、Ethereumは新しい "Casper"プロトコルでPoSに移行しようと試みている。仮に成功すれば、保有者は取引手数料と引き換えにスマートコントラクトでコインを賭けることができるようになる。ゆえに、多くの人がEthereumに目を向け、実際にPoSを用いてこれまで困難であった問題を解決できるかどうか注目している。
※原文
https://cointelegraph.com/news/digital-currency-mining-may-look-much-different-in-2025