仮想通貨(暗号資産)取引所ディーカレットは5日、関西電力との間でデジタル通貨を使った電力P2P取引の決済処理の自動化の実証実験を行い、その有効性を確認することができたと発表した

ディーカレットはブロックチェーン上でデジタル通貨を発行・管理するプラットフォームを活用し、関西電力向けの実証実験の独自デジタル通貨を発行し、電力P2P取引での決済処理の自動化の実証実験を行った。

個人や企業で電源を保有して余剰電力を売却する「プロシューマ―」と、電力消費者(コンシューマー)との間で電力P2P取引を行われることを想定し、ブロックチェーン技術を使い、その取引記録の管理や同時決済の自動化を検証した。

具体的には、プロシューマーと電力消費者との間で電力取引が行われた記録がスマートコントラクトへ書き込まれ、取引量に応じた料金が電力消費者のウォレットからプロシューマ―のウォレットへデジタル通貨で送付され、同時に取引手数料がプロシューマ―のウォレットからプラットフォーマーのウォレットへもデジタル通貨で送付される仕組みだ。実装実験ではこの仕組みを検証し、その有効性を確認することができたという。

出典:ディーカレット発表資料

また関西電力は、過去に豪パワーレッジャー社とともにブロックチェーン基盤の電力売買取引プラットフォームの実証実験を行っている。これは太陽光発電によって生じた余剰電力をP2Pで直接取引するものだ。

ディーカレットの実証実験

ディーカレットは今回の関西電力との実証実験以外にも、ディーカレット独自のブロックチェーン上でデジタル通貨を発行・管理するプラットフォームを活用した実証実験を様々な企業と共同で実施している。

今年5月には、東京海上日動火災保険とともに保険契約の業務プロセスの自動化の実証実験を実施している。これは事故発生から保険金支払いまでのデジタル通貨とブロックチェーンで自動化しようとするものだ。

ブロックチェーン上で保険契約の情報を事前に登録しておき、事故が発生した際に事故情報をブロックチェーンに読み込ませ、保険金支払い条件に合致したか否かを自動判定し、保険金をデジタル通貨で即時に支払う仕組みだ。

また今年1月には大同生命とディーカレットとの間で、保険料の納付や支払いにデジタル通貨を活用する実証実験を開始することも報じられている。こちらの実証実験では100人の従業員が物品購入や募金の集金などにデジタル通貨を活用。2023年の実用化を目指すという。