アルゴリズムを使った投資助言スタートアップのデルフィア(Delphia)は、データに焦点を当てた自律分散型組織(DAO)の「データDAO」の作成に向け、大手仮想通貨ベンチャーファンドからシリーズAで6000万ドルを調達した。

シリーズAは仮想通貨に特化したベンチャーキャピタルであるマルチコイン・キャピタルが主導し、リブビット・キャピタル、FTXベンチャーズ、バラー・エクイティ・パートナーズなどが追加で参加した。デルフィアは今回の資金で、新しいリワードトークンを立ち上げるとともに、ユーザーがアルゴリズムモデルにデータを提供する方法を拡大し、投資家のリターンを高めるために利用する。

マルチコイン・キャピタルの共同設立者であるトゥシャール・ジャイン氏によると、データDAOはユーザーが所有するデータを活用し、組織内のすべての貢献者に利益をもたらすという。デルフィアはユーザーから提供されたデータを使用して、ユーザーの資金を直接管理するトレードアルゴリズムをさらに強化する。

ジャイン氏はこれまでのデータをめぐるやりとに対して、「データ提供者がその貢献に対して報われることはほとんどない...なぜなら、彼らは集約されたデータが生み出す価値に対する権利を持たず、また彼らのデータの使用方法を管理する権利もないからだ。これは、アグリゲーターに信頼が集中する。こうした信頼は、残念ながら、何度も侵害されてきている」と指摘する。データDAOは、「データ提供者に、集約されたデータの直接的な経済的利益を与え、それを管理する能力を与えることで、この不整合を解決する」という。

デルフィアの投資プラットフォームは、ロングオンリーのアクティブ運用戦略を提供している。ユーザーは最低10ドルを投資することで、多様な個別銘柄のポートフォリオに触れることができる。

DAOは、階層的な管理から解放されたコミュニティへのアクセスをユーザーに提供するために、さまざまな方法で誕生している。DAOの構造は、自国内でのプロジェクトの形成と開発を奨励しようとする国家政府の注目を浴びてさえいる。DAOの支持者は、ユーザーにプロジェクトの成長を直接的に共有させることで、プロジェクトの長期的な持続可能性にインセンティブを与えると信じている。