欧州中央銀行(ECB)は、分散型自律組織(DAO)が金融セクターの未来に存在するためには、包括的な規制枠組みが必要だとの見解を示した。
ECBの市場インフラエキスパートであるエレン・ナウツ氏が執筆した論文「金融におけるDAOの未来:法的地位の必要性」によると、DAOに関していかにテクノロジーが規制を上回り、エコシステムの安全性と持続可能な成長に悪影響を与えたかを強調した。

DAOが市場にユニークなサービスを次々と提供する中、ペーパーベースの時代に合わせて作られた登録枠組みでは、投資家に対するさまざまな責任を十分にカバーできていないという。
論文は、「DAOがグローバルに適切に規制され、上記の課題が解決され、DAOが将来も金融安定への深刻な脅威とならないよう、決済および証券システムが円滑に機能し、消費者が適切に保護されるようになるまで、DAOが金融セクターの未来に存在できる場所は必然的に限られる」と結論付けた。
DAOの規制枠組みの必要性を訴える声が高まる中、ECBの理事会メンバーであるファビオ・パネッタ氏は、デジタルユーロが「ヨーロッパを先進経済の先頭に立たせることができる」と述べた。
A digital euro would be a new form of central bank money, says Executive Board member Fabio Panetta. It is now up to legislators to ensure it would replicate key characteristics of cash in the digital sphere, particularly its privacyhttps://t.co/nQJzYylwpV
— European Central Bank (@ecb) September 4, 2023
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パネッタ氏は、欧州委員会が提案したデジタルユーロの法案を支持し、民間の決済サービスで「クローズドループソリューション」がますます一般的になっている中、ヨーロッパ人は現金であろうとデジタルであろうと、常に公共の支払い手段にアクセスできるようにするという。