大手仮想通貨取引所バイナンスCEOのジャオ・チャンポン氏(通称CZ)はブルームバーグのインタビューで、KYCを義務化した後、バイナンスは約3%のユーザーを失ったと明らかにした。
「96、97%のほとんどの人々がKYCを行った。我々が失ったのはわずか3%のユーザーだ」
KYCは、身分証明書を要求することで、ユーザーの本人確認を行うものだが、バイナンスではこれまで実施してこなかった。バイナンスは8月20日、仮想通貨の入金、取引、出金などの商品・サービスを利用するために、既存・新規のすべてのユーザーにKYCを義務づけた。
CZ氏は「KYCに準拠することで、より多くのユーザーが当社を利用できるようになると考えている」と述べ、多くの人はライセンスを取得した取引所を利用することに安心感を覚えると付け加えた。
バイナンスは何年も前から、分散型で本社を持たない構造をアピールしていたが、7月にCZ氏が現地の規制当局と協力する準備ができていることを発表した。「当社はどの地域においてもライセンスを取得し、今後は、金融機関となる」と述べた。
インタビューの中でCZ氏は、規制当局は当初バイナンスに懐疑的だったが、コミュニケーションを続けるうちに態度が変わってきたと語っている。「私を実際に見た人たちは、『CZはとても合理的で、冷静で、クレイジーな男ではない』と言ってくれる。そのため、より早く信頼を得ることができた」。
Binanceは最近、アイルランドに3つの子会社を設立した。これは世界のさまざまな地域に本部を設置するというCZ氏のビジョンの一環だ。CZ氏は、「私たちが最初に始めたとき、分散型の原則を受け入れたいと思っていた。本部はなく、世界中で仕事をし、国境はなかった」と述べた一方、「中央集権的な取引所を運営するためには、その背後に中央集権的な法人構造が必要であることは、今では非常に明らかだ」と付け加えた。