現在の世界経済のトレンドはビットコインにとって「完璧な嵐」となるかもしれない。デジタル資産研究を手がけるデルフィ・デジタルの最新レポートをフォーブスが報じた。デルフィは、4月から始まったビットコインの強気相場を事前に予測していたことでも知られている。

デルフィは、「FRB、ECB、日銀、中国人民銀行や他の多くの中央銀行がさらなる利下げや追加緩和策を進めている」と指摘。米中貿易戦争、10月末に起こりうるハードブレグジット (合意なしの強硬離脱)、ドイツ経済の低迷がさらなる金融緩和策を正当化するだろうとみている。

また、デルフィは世界経済低迷の兆候が見られるとも指摘。GDP成長予想やインフレ予想などが全て下落傾向にあり、中央銀行があらゆる手段を使って金融緩和策を進めることになるかもしれないと述べた。

ちなみにニューヨーク連銀によると、今後12ヵ月以内に米国で景気後退になる可能性は約30%だ。

その上でデルフィは、「有事の金(ゴールド)」と並んで、デジタルゴールドと呼ばれるビットコインにとっては「完璧な嵐になる」と述べた。

一方、金とビットコインのどちらを選ぶべきかに関して、ビットコインが金融危機以降に生まれたもので以前の不景気局面でどのようなパフォーマンスをしたかを示す前例がないとしつつも、今後の成長余地が大きいから「平均以上の成長率を持つ資産に飢える投資家」にとってはビットコインの方が魅力的かもしれないと述べた。

1日にトランプ大統領が中国製品に対して追加関税をかけると発表したことが、ビットコインにとって追い風になるという見方が広がっている。

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