ロシア格付け機関「仮想通貨は通貨として利用できる段階ではない」

 ロシアの分析信用格付け機関(ACRA)は7日、仮想通貨は決済手段として利用できる段階ではないとする報告をまとめた。ACRAは、仮想通貨は現在、通貨の機能を完全に果たしてはいないとし、交換レートの変動率が食品価格の変動率と同様に高く、決済手段として効率的とはいえないと指摘した。

 また、仮想通貨の利用により経済における取引コストを削減できる段階には至っていないとし、その要因として「エネルギーの非効率性...サイバーセキュリティ対策におけるスケールメリットの欠如、ブロックチェーンの記録速度が遅いこと」を挙げた。

「これらの要因はすべて、(銀行の)決済における仲介者数を減らせるという潜在的利点の価値を下げるものだ」

 ACRAは、仮想通貨と「本質的価値を有する」法定通貨を比較し、仮想通貨の市場価値が主に「投資家が将来高値で売却しようとする期待に基づいて形成されている」点を強調した。

 仮想通貨の利用が増加しうる要因としては、「積極的な外交政策や経済の対外的緊張を背景にした制裁強化」などを挙げた。ロシアのプーチン大統領は7日、国民の質問に答える恒例のテレビ生番組で、仮想通貨に対し、あいまいながらも全体的には否定的な見解を示した

 しかし、「国際金融活動の分野におけるあらゆる制限を回避するために」仮想通貨の利用方法を検討すると強調し、欧米諸国が現在ロシアに課す制裁を回避するために仮想通貨を利用する可能性を匂わせた。

 ACRAは、今後ロシアで仮想通貨が普及する可能性は低いと結論付け、理由として「ロシア連邦中央銀行による規制への取り組みがかなり厳しいこと、投資リスクが高いこと、自社の商品やサービスの支払いに仮想通貨を受け入れる準備のできている企業が少ないこと...従来の通貨に本来備わっている資金の安全性に対する保証が欠如していること」などを挙げた。

 ロシアの主要な仮想通貨・ブロックチェーン関連法案である「デジタル金融資産に関する法案」は、5月末に国家院で第一読会をほぼ全会一致で通過した。仮想通貨規制法の最終版は7月1日に制定される見込みとなっている。

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