仮想通貨トレーダーが、およそ1カ月前にほぼ同額で売却したイーサ(ETH)を、より高い価格で買い戻し、約267万ドルの利益を取り逃がした。

5月22日、ブロックチェーン分析企業Lookonchainは、あるウォレットが1,425ETH(1枚あたり2,670ドル)を約380万ドルで購入し、大幅な上昇後に再びETH市場へ参入したと報告した。

このウォレットは、4月13日にETHを1枚あたり約1,570ドルで2,522ETH売却しており、売却額はおよそ390万ドルだった。結果的に、売却タイミングとしては最悪だったように見える。

Lookonchainは「売却を検討する前に、もう一度よく考えよう」とX(旧Twitter)でコメントし、売却せずに保有を続けていれば得られた利益の大きさを強調した。

Whale buys ETH after selling over a month ago. Source: DeBank

トレーダー、267万ドル相当の利益を逃す

ETHは売却時から70%以上上昇しており、このトレーダーは再購入の過程で1,000ETH以上、約267万ドル分の資産を失った計算になる。もし売却せずに保有を続けていれば、ETHの価値は約670万ドルに達していた。

ETHの上昇は、コカ・コーラやアリババといった大企業の時価総額を上回るほどの規模となった。

データトラッカー8marketcapによると、記事執筆時点でイーサの時価総額は3,210億ドルで、世界で38番目に価値のある資産となっている。製薬企業アッヴィを上回り、バンク・オブ・アメリカに迫る勢いだ。

今回の上昇は、イーサリアムの「Pectraアップグレード」の成功によってもたらされた。ネットワークのスケーラビリティ、バリデーターのユーザー体験、スマートウォレット機能の改善が図られ、メインネットの普及を後押しすると期待されている。

ETH関連投資商品、週間2億500万ドルの資金流入でトップに

ETHの価格上昇に伴い、米国ではETHベースの投資商品への関心も再燃している。

5月19日に発表されたデジタル資産運用会社コインシェアーズのレポートによると、前週の米国暗号資産投資商品には合計7億8,500万ドルの資金が流入。これにより、2025年年初来(YTD)の暗号資産ETP(上場投資商品)への流入総額は75億ドルに達した。

中でもETH関連ETPは突出しており、1週間で2億500万ドルの流入を記録。期間中の総流入額の26%を占め、年初来の総額は5億7,500万ドルを超えた。

コインシェアーズは、Pectraアップグレード後の投資家心理の改善と、イーサリアム財団によるTomasz Stańczak氏の共同エグゼクティブディレクター就任が、流入増加の要因になったと分析している。

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