1カ月間の休会を経て、米国上院と下院は再び政府の業務に復帰する予定であり、その中には仮想通貨やブロックチェーン業界に影響を及ぼす重要政策も含まれている。

今年1月に定められた日程に従い、第119期米議会の両院は数週間前から休会に入っていた。この間、デジタル資産の市場構造を確立する法案の審議や、商品先物取引委員会(CFTC)の委員長候補であるブライアン・クインテンツ氏の承認審議、中銀デジタル通貨(CBDC)の制限を盛り込んだ法案の検討は事実上停止していた。

上院委員会は9月に市場構造法案を審議へ

共和党の最優先課題の一つは、仮想通貨市場構造を確立する法案を委員会から通過させ、本会議で採決にかけることだ。

7月には、下院共和党が「デジタル資産市場の明確化(CLARITY)法」を民主党78人の支持を得て可決し、法案は修正と審議のため上院に送られた。仮想通貨規制の緩和と明確化を訴えてきたワイオミング州のシンシア・ルミス上院議員は、市場構造確立を求める共和党の中心的な存在となっている。

ルミス議員は8月のブロックチェーン会議で、上院銀行委員会が9月末までにCLARITY法を基盤とする市場構造法案を可決し、10月には上院農業委員会で審議されるとの見通しを示した。同議員は、この法案が「年末までにドナルド・トランプ大統領の机に届く」と予測した。

記事公開時点で、上院農業委員会も銀行委員会も、この法案を審議する公聴会をまだ予定していない。

CFTC新委員長選び

水曜日以降、共和党のキャロライン・ファム氏が、民主党のクリスティン・ジョンソン氏の退任に伴いCFTC唯一の残留委員であり、かつ委員長代行を務めることになる。ジョンソン氏は5月に2026年までに辞任すると発表しており、ファム氏は、上院がクインテンツ氏を承認すれば「民間部門に移る」と述べていた。

ジョンソン氏の退任が迫り、CFTCが指導部不在に陥りつつある中でも、クインテンツ氏の承認は記事執筆時点では確実視されていない。上院が休会に入る前、農業委員会はホワイトハウスの要請で同氏の承認投票を延期していた。

仮想通貨支持団体はクインテンツ氏の承認に向けて働きかけを強めている一方で、ジェミニ共同創業者のキャメロン氏とタイラー・ウィンクルボス氏(ともにトランプ氏支持者で献金者)は、当初は承認を支持していたものの、その後「大統領の仮想通貨政策を十分に実行しない」として再考を迫ったと伝えられている。

月曜日時点で、上院銀行委員会は水曜日にトランプ氏が指名した5人の審議を予定しているが、農業委員会はクインテンツ氏の予定を組んでいなかった。

CBDC禁止条項を含む国防法案の下院採決へ

下院は7月、民主党の一部の賛成を得て「反CBDC監視国家法」を可決した。しかし共和党は、上院に送付されたこの法案に代わる選択肢を模索している模様だ。

8月には、下院規則委員会が国防権限法(HR 3838)の改正版を公表した。この改正版には、連邦準備制度によるデジタルドルの発行を禁止する条項が盛り込まれていた。これは「反CBDC監視国家法」の主要な柱の一つである。

ただし、いずれの法案も修正なしで議会を通過できるかどうかは不透明だ。

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