ニュージーランドのオークランドに本社を置く仮想通貨取引所ダセットの顧客が、自身の資産へのアクセスを拒否されている。同社の代表者は清算を始めたことを明らかにした。

ニュージーランドのメディアであるヘラルドは8月14日、ダセットの問題を報じた。報道によれば、一部の顧客は何ヶ月もの間、資産の引き出しを試みているが成功していない。同社のスティーブン・マカスキルCEOは、以前の銀行プロバイダーが2023年1月にダセットとの関係を絶った後、新たな銀行プロバイダーを見つけられなかったと説明した。

またマカスキル氏は、ダセットが自主的な清算を開始したことも明らかにした。しかし、ダセットで新しいアカウントを開設することは依然として可能で、清算に関するニュースは同社の公式X(ツイッター)インスタグラムのアカウントには現れていない。

ダセットの公式ウェブサイトへのリンクは現在、法律事務所グラント・ソーントンの発表ページに繋がっている。同事務所は取引所の清算について次のように述べている。「ダセットの経営陣は、資産価値と取引高の大幅な減少が利益を上げる能力に影響を及ぼしたと語った。清算人の任命が全ての関係者の最善の利益であると判断された」。

グラント・ソーントンは今後数日間に全ての顧客に連絡を取る予定であり、ダセットの資産を「確保し保護」することに焦点を当てると約束している。

2023年6月、ニュージーランド準備銀行のマネー・アンド・キャッシュ部門長であるイアン・ウールフォード氏は公の場で、同国はまだ仮想通貨に対する規制的アプローチを必要としていないと語った。現行の法律ではデジタル資産は財産の一形態と見なされ、金融、マネーロンダリング、税制のガイドラインを通じて規制されている。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン