米証券取引委員会(SEC)の委員であるヘスター・ピアース氏の任期延長が決まった。ピアース氏は、仮想通貨(暗号資産)への融和的な姿勢から、仮想通貨コミュニティの中で「クリプトママ」の愛称でも知られている。

ピアース氏のSEC委員としての2期目が確定したことで、2025年6月までSEC委員として勤めることになる。8月5日に米議会上院での公聴会が行われた後、任期延長が決定した。SECは8月6日の声明の中で、ピアース氏の任期延長について発表している。

仮想通貨規制へのピアース氏の姿勢

今年2月、ピアース氏はデジタルトークンにおける規制緩和案を提示している。これは仮想通貨やトークンの開発に3年の規制猶予期間となるセーフハーバーを設けるというものだ。セーフハーバーとは、あらかじめ決められたルールや基準を満たしている限り、法令違反とはならない措置のことだ。

この提案は政府機関としてのものではなく、あくまでピアース氏個人の提案だったが、仮想通貨業界の中からはこの提案を歓迎する声も出ていた。

バイナンスUSのキャサリン・コリーCEOは、「提案されたセーフハーバーは、これまで米国の暗号通貨市場にとって最も画期的な開発になる可能性がある。長期的に、多くのアメリカ人がデジタル資産の取引関わることになり、ネットワークへの参加を促進するのに役立つ」と語っていた。

またピアース氏がビットコイン上場投資信託(ETF)の重要性を指摘してきたことも、仮想通貨業界の中で評価されている点だ。

ピアース氏は、SECがビットコインETFを拒否するたびに反対の声明を発表し、SECの判断を批判。SECによる厳しい規制が仮想通貨業界の発展を阻害する可能性を懸念していた。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン