中東のイランは、仮想通貨マイナーのメッカになろうとしている。しかし、意図しない環境への影響を招いているようだ。

ブルームバーグの報道によると、イランでのビットコインマイニングによる電力消費は、厳冬期の暖房需要と相まって、現地の天然ガス不足の一因となっている。そのため発電所では品質の低い燃料油を燃やし、イランの年の多くで「有毒なスモッグの厚い層」が発生。これを受け、一部の発電所が閉鎖されたことで停電も発生した。

イランは、米国の経済制裁によって世界の金融ネットワークにアクセスできず、さらに新型コロナウィルスの流行や氷点下を超える寒さも加わり、経済的な苦境に直面している。

イランの石油大臣は、国内の発電所で低品質の燃料を使ったいることを否定したという。しかし、イランの現地メディアは、首都テヘランの大気汚染が悪化している状況を報じているIQAirによると、テヘランの大気汚染状況は、大気質指数が171となっており、「不健康」レベルだ。

昨年1月、イランの産業鉱業貿易省は、国内の1000以上の仮想通貨マイナーにライセンスを発行した。イランのロウハニ大統領は昨年3月、仮想通貨マイニングの国家戦略を作成するように指示したとの報道も出ている

イラン国内のマイニング事業者の数は2020年に大幅に拡大しており、イラン当局は昨年3月にトルコ企業iMinerに対して6000のマイニングリグの設置を許可している

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン