仮想通貨価格は今週調整したが、スポット市場は多くのトレジャリー企業よりも健闘している。企業によっては市場飽和やビジネスモデルの持続可能性への懸念から、株価が90%以上の下落となっているケースもある。
最大のビットコイントレジャリー企業であるストラテジーの株価は、11月の取引時間中に記録した過去最高値543ドルから約45%下落している。比較すると、ビットコインは同じ11月に約9万9000ドルを付けて以来、現在までに約10%上昇している。
さらにビットコインは12月以降、高値を更新し続け、8月には過去最高値12万3000ドル超を記録した。一方でストラテジーは過去最高値を取り戻すことができなかった。
ビットコイン・トレジャリー企業メタプラネットも同様の展開を見せている。同社株は5月の最高値16ドルから約78%下落し、現在は3.55ドル前後で取引されている。これに対し、ビットコインは5月の11万1000ドル超から約2%しか下落していない。
大手銀行スタンダードチャータードのアナリストによると、企業価値と保有資産を比較する指標である純資産価値倍率(mNAV)の下落は、仮想通貨トレジャリー企業の増加に伴い縮小している。
「市場飽和がmNAV縮小の主要な要因と見ている」とアナリストは指摘した。コインゲッコーによれば、現在140社の上場企業が仮想通貨トレジャリー戦略を採用している。
投資家やトレーダーは、トレジャリー企業が基礎となる仮想通貨そのものを上回るパフォーマンスを示すことを期待していた。
しかし、2025年に入ってからのこれら企業の株価低迷は、債務返済のための強制売却を通じて次の仮想通貨市場下落を加速させるのではないかという懸念を広げている。
アルトコイン・トレジャリー企業はさらに低迷
イーサリアムをトレジャリー戦略に取り入れているシャープリンク・ゲーミングの株価は、2025年5月に124ドルまで急騰した後、約87%下落し、現在は15.72ドル前後で推移している。
一方でイーサリアム自体は、5月以降に約115%の急騰を見せている。
ソラナをトレジャリーとしているヘリウス・メディカル・テクノロジーズの株価は、年初来で97%下落した。これに対し、ソラナは1月にミームコイン熱狂の中で295ドル超の最高値を記録した後、現在までに約33%しか下落していない。
さらに2025年にBNBトレジャリー企業へ転換したCEAインダストリーズの株価は、8月に34ドル超の最高値をつけた後急落し、現在は7.75ドル前後で取引されている。BNB自体はその後上昇を続け、9月には1000ドル超の新高値を記録している。
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