米証券取引委員会(SEC)がリップルラボとの訴訟で控訴しようとする中、仮想通貨分野で活動する弁護士にこの控訴がどのような展開になるのかを聞いた。

8月9日、SECはアナリサ・トーレス判事に対し、控訴裁判所による新たな見直しが必要だとし、控訴の手続きを進めるという書簡を送った。SECは控訴が進行中の間、訴訟を保留するよう求めた。

SECの控訴に向けた動きは取引所でのXRPの扱いに影響を与えるとの懸念も出ているが、仮想通貨専門の弁護士のジェレミー・ホーガン氏によれば、訴訟とトークン上場の問題は別だという。ホーガン氏は、SECが控訴審で勝訴した場合、リップル社が取引所を通じてトークン販売を行うことができなくなると説明した。それでも、ホーガン氏はリップルが直接販売はできないが、取引所ではXRPが引き続き上場できると考えている。

一方、非代替可能トークン(NFT)プラットフォームエンジンの法務責任者であるオスカー・フランクリン・タン弁護士は、コインテレグラフに対してSECの動きを詳しく解説した。タン氏によれば、通常、控訴は訴訟が終了した後に行われる。しかし、SECの控訴は「中間控訴」であり、訴訟が未完了の状態で控訴を求めている。SECはまだ控訴する「権利」を持っていないため、まずは中間控訴を申請する許可を求めている。リップルは来週、裁判所に対する回答を提出する予定だ。

この控訴が訴訟の進行にどのような影響を及ぼす可能性があるかについて質問すると、タン氏は「すべては勢いにかかっている」と語った。彼は「SECは中間控訴が進行中の間、XRP訴訟を一時停止するよう求めている。控訴が許可された場合、控訴で勝訴した側が本訴訟で勢いをつける」と説明した。

ホーガン氏は控訴がXRPのステータスに影響を与えないと考えている一方で、タン氏はSECの狙いが依然としてこれであると考えている。タン氏は、SECがトーレス判事による7月の決定、すなわちXRPが特定の状況では証券ではないという判断を覆すことを目指していると考えている。

また、タン氏によれば、SECがテラフォームラボ訴訟の結論をXRP訴訟に対して利用しているという。

しかし、タン氏はSECは裁判所での行動を起こす前に行政側での手続きを進めるべきだったと主張している。彼は「SECが最初にすべきだったのは、誰かを裁判にかける前に明確なガイダンスを提供することだった。リップルや他の当事者がこのガイダンスを得るためにSECを裁判に持ち込んだのであれば、SECは裁判所の手続きを通常通り進めるべきだ」と語った

。一方、リップルの最高法務責任者スチュアート・アルデロティ氏はコミュニティに「注目していてください」と伝え、リップルは来週、裁判所に対する回答を提出すると述べた。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン