2023年第2四半期において、仮想通貨ハッキングと不正流出により、デジタル資産3億ドル以上が失われた。これは、ブロックチェーンセキュリティ企業のセルティックがまとめた四半期報告書によるデータだ。

セルティックの報告書によれば、同四半期には合計212件のセキュリティ・インシデントが発生した。同社は、これらのインシデントを通じて、悪意ある攻撃者がWeb3プロトコルから合計で3億1356万6,528ドルを奪ったと指摘している。これは、2022年第2四半期のハッキングと不正流出による損失7億4500万ドルと比較すると、損失額が58%減少したことを示している。

2022年と比較して損失総額が低下したものの、2023年第2四半期に出口詐欺による損失額が増加し、約7000万ドルに達した。これは、第1四半期の同様の詐欺スキームによる損失額3100万ドルのほぼ2倍となる。一方、フラッシュローンとオラクル操作不正流出による損失は、2023年第1四半期と比較して第2四半期に大幅に減少した。第1四半期には、オラクル操作攻撃が合計52件発生し、約2億2200万ドルの損失が発生した。このうち、オイラーファイナンスのハッキングが損失の85%を占めていた。

第2四半期には、フラッシュローンとオラクル操作攻撃が合計54件発生し、その結果、約2300万ドルの損失が発生した。これは、第1四半期と比較して89%の減少だ。

このほか、セルティックは、分析対象としたすべてのブロックチェーンの中で、BNBチェーンが最も多くのインシデントを記録し、119件のインシデントが発生しており、7071万ドルの損失をもたらしたと指摘した。イーサリアムは2位で、55件のインシデントが発生し、ハッカーに 6599 万 ドルをもたらした。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン