オンチェーン分析プラットフォームのサンティメントによると、仮想通貨市場におけるミームコインに関するオンライン上の議論が年初来で最も活発となっている。一時的に沈静化したミームコイン熱が、ここにきて再燃している格好だ。
2週間前には、ビットコイン(BTC)およびレイヤー1プロトコルに関連する話題が、トランプ政権による関税政策の影響で市場のボラティリティが高まる中、関心のピークを迎えていた。しかし、サンティメントのマーケティングディレクターであるブライアン・クインリヴァン氏によれば、その後、焦点は時価総額の高いミームコインへと移った。
「これらの高リスクトークンに関するオンライン上の議論が急増しており、トレーダーたちは計算された投資戦略というよりも、ギャンブル的な心理で市場に参加している」とクインリヴァン氏は指摘した。
同氏によると、過去8日間で仮想通貨市場全体は約10%上昇したのに対し、ビットコインの上昇幅は7%にとどまっている。この乖離は、よりリスクの高い資産への資金流入を示唆しているという。
「ビットコインが上昇をリードした後に値動きが横ばいになると、投資家はより高いリターンを求めて、より投機的でリスクの高い銘柄へと資金をシフトする傾向がある」と語った。
ドージコイン、ETF関連ニュースで関心急上昇
中でもドージコイン(DOGE)は、米国でETF申請が相次いだ影響で、4月に一時落ち込んでいた関心が再び上昇している。
米証券取引委員会(SEC)がこれらのETF申請の審査期限を6月中旬まで延長したこともあり、市場は「慎重な期待感」に包まれているとクインリヴァン氏は述べた。
「4月後半まで、ドージコインに対する人々の関心は大きく低下していた。しかし現在、ドージコインのソーシャルドミナンスは過去3カ月で最も高い水準にまで上昇している」と分析している。
DefiLlamaのデータによると、ミームコイン発行プラットフォームPump.Funの分散型取引所であるPumpSwapは、4月に月間取引高が110億ドルに急増。3月の17億ドルから大幅な伸びとなった。また、Pump.Fun本体の月間取引高も25億ドルから33億ドルに拡大している。
こうしたミームコインの熱狂は、1月18日に発表されたトランプ米大統領のミームコイン「オフィシャル・トランプ(TRUMP)」のローンチを契機として爆発的に拡大した。Pump.Funでは一時的に週次で33億ドルの取引高を記録している。
しかし、その後の投資家心理は急速に冷え込んだ。コインゲッコー共同創業者のボビー・オン氏は、3月6日のレポートで「ミームコイン投資家の関心は一連の失敗プロジェクトにより後退した」と指摘し、2月にリリースされたリブラ(LIBRA)トークンの破綻がその転機となったと述べている。