デジタル資産のカストディ(保管)が、北米の仮想通貨企業の次なるターゲットとなっている。これは、伝統的な金融商品と仮想通貨の融合が背景となっている。最近ではタウルスとファイアブロックスが北米でのカストディ業務を拡大しようとしている。

5月21日、スイスに本拠を置くタウルスは、カナダのブリティッシュコロンビア州バンクーバーにオフィスを開設すると発表した。これは、トークン化およびカストディサービスに対する需要の増加に応えるためだ。タウルスの共同創設者でマネージングパートナーのラミン・ブラヒミ氏は、いくつかの保留中の取引案件が完了次第、さらなる拡張が予定されているとコインテレグラフに語った。

ファイアブロックスも同様の動きを見せており、ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)の規制を受けた限定目的信託会社を設立する計画が進行中だ。同社の事業開発担当上級副社長であるアダム・レビン氏は、「米国にはデジタル資産をカバーする資格を持つカストディアンが不足していることがより明確になっている」とのべた。

設立が承認されれば、ファイアブロックスの新会社は、登録投資アドバイザー、資産運用会社、ベンチャーキャピタリスト、および上場投資信託(ETF)プロバイダーを専門とする予定だ。これらは、1月に米国でスポットビットコインETFが承認されて以来、仮想通貨保有が増加している層だ。

「米国の現行規制枠組みは、伝統的なカストディアンがこの市場に本格的に参入する意欲に影響を与えている。その結果、市場参加者が資格を持つカストディアンを通じてデジタル資産を安全に保管するための選択肢が限られている」とレビン氏は説明した。

NYDFSの事前承認済みトークンリスト、いわゆる「グリーンリスト」に従い、ファイアブロックスのカストディ部門は、初期段階ではビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、および3つのステーブルコインのカストディを提供する予定だ。追加の資産は規制当局の要件に基づいて追加されるという。

仮想通貨カストディ市場は大きな成長を遂げており、さらに拡大する見込みだ。

2022年には、デジタル資産カストディ市場は4480億ドルに達し、これはセキュリティ侵害から投資を保護し、規制要件を遵守する必要性によって促進されたものだ。リップル、クラーケン、コインベースなどの伝統的な仮想通貨プレイヤーが機関投資家向けにカストディを提供している一方で、伝統的な企業も仮想通貨収益の一部を狙っている。

例えば、HSBCは、機関投資家向けにトークン化された証券に焦点を当てたデジタル資産カストディプラットフォームを立ち上げる計画を発表している。2022年には、米国最古の銀行とされるBNYメロンが、機関投資家向けに仮想通貨資産を保護するためのデジタルカストディプラットフォームを立ち上げた

デジタル資産のカストディは通常、コールド(オフライン)ストレージ、ホット(オンライン)ストレージ、マルチシグネチャウォレット、およびマルチパーティ計算を組み合わせて資産のセキュリティを確保する。

リップルは、機関投資家向けの仮想通貨カストディ市場が2030年までに10兆ドルに達する可能性があると予測している。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン

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