香港に拠点を置く仮想通貨取引所ビットフォレックス(BitForex)が突如出金を停止した。少なくとも3日間が引き出せない状況が続いているようだ。停止前日には、約5600万ドルの仮想通貨が取引所のウォレットから引き出されていた。

オンチェーン探偵ZachXBT氏は2月23日、ビットフォレックスが取引停止前に3つのホットウォレットから約5650万ドルの仮想通貨が流出していたと指摘した

ビットフォレックスのXアカウントは2023年5月以降更新されておらず、公式テレグラムチャンネルでは、ユーザーがアカウントにログインできない、ダッシュボードに資産が表示されないなど、様々な問題を報告している。複数のユーザーは、会社のウェブサイトにアクセスできないことを示すポップアップ画面を共有した。

コインテレグラフでもビットフォレックスのウェブサイトを開こうとしたが、同様の問題が発生した。しかし、取引所のウェブサイトの一部ページはまだ閲覧可能だ。例えば、2023年1月31日にビットフォレックスのジェイソン・ルーCEOが退社したことを発表するページは、記事公開時点でも閲覧可能だった。

Screenshot from the BitForex website showing it has been blocked. Source: BitForex

2023年9月、ビットフォレックスは時価総額ベースで世界トップクラスの仮想通貨取引所の一つだった。一日あたりの取引量は約26億ドル相当に達していた。しかし現在、コインマーケットキャップはビットフォレックスのリアルタイムデータを提供していない。

日本の金融庁は2023年4月、ビットフォレックスが無登録で暗号資産交換業を営んでいるとして警告した。

しかし、それ以降、ビットフォレックスは規制当局やメディアから大きな注目を集めていない。

先週、香港の別の取引所であるアトム・アセット・エクスチェンジ(Atom Asset Exchange:AAX)は、ウォレットから約5560万ドル相当のETHを移動させた。AAXは2022年11月13日、FTXが破産申請した2日後に全てのサービスを停止した。その後、AAXの元CEOであるソー・チャン氏と取締役のハオミン・リャン氏は2022年に香港警察に逮捕された。

しかし、AAXの創設者は依然として行方不明とされており、2億3000万香港ドル(約2941万ドル)相当のユーザーの資金と、取引所のウォレットへのアクセス権を持つ秘密鍵を持ち逃げしたと疑われている。