デジタル資産プラットフォームFineqiaのレポートによると、全世界の仮想通貨上場取引商品(ETP)が2023年に大幅に増加し、その成長率は原資産の成長を上回った。
Fineqiaによると、21シェアーズ、グレイスケール、コインシェアーズなどの企業が発行する仮想通貨ベースのETPは、2023年1月1日から10月31日までに総運用資産(AUM)が91%増加したという。
仮想通貨ETPの増加は、同期間における仮想通貨の成長率70%を上回っている。Fineqiaの調査には、現在発行されている合計168の仮想通貨ETPが含まれ、21シェアーズ、グレイスケール・インベストメント、ヴァンエックなどからのETPのデータに基づいている。
Fineqiaの広報担当者は、「この調査には、21シェアーズ、グレイスケール、コインシェアーズ、ETCグループ、ヴァンエック、ウィズダムツリー、その他の発行者が発行したすべての商品が含まれている」とコインテレグラフに述べた。
また、Fineqiaのリサーチアナリストのマッテオ・グレコ氏は、「データは毎月最初の営業日に更新され、前月末のデータを示している」と語った。彼はまた、データは公式ソースから収集され、発行者のウェブサイトで利用できない場合はデータアグリゲーターから取得されたと付け加えた。
Fineqiaは、仮想通貨ETPのAUMの急増と仮想通貨市場の急増との間の差を、ビットコイン(BTC)がデジタル資産ETP内で占める割合が市場でのシェアよりも大きいためだと指摘している。調査によれば、ビットコインは仮想通貨ETPのAUMの総額の75%を占めている。一方、CoinGeckoのデータによれば、ビットコインの仮想通貨市場におけるシェアは、過去1年間で約50%だった。
同時に、ビットコインは仮想通貨市場で最も大きな利益を上げたコインの1つであり、2023年1月1日から10月31日までの期間で104%上昇した。市場で2番目に時価総額が大きいイーサリアム(ETH)は、同期間で50%上昇している。

Fineqiaによれば、仮想通貨ETPのAUMは10月に380億ドルに達し、月間で25%増加し、2022年5月以来の最高値を記録した。全体の仮想通貨市場の時価総額も10月に17%増加し、1兆1500億ドルから1兆3500億ドルに上昇した。
Fineqiaのブンディープ・シン・ランガールのCEOは、仮想通貨ETP市場と全体の仮想通貨市場の動向は、米国での現物型ビットコインETFの可能性に対する期待を示していると話す。「ビットコインの現物型ETFの承認の可能性が高く、近い将来に迫っていることを示すサインが出ている。市場はこのポジティブなシグナルに単純に反応している」と彼は語った。
ビットコインの現物型ETFを巡っては、21シェアーズやウィズダムツリーなどの企業からの12の申請が米証券取引委員会(SEC)による決定を待っているという状況だ。11月中旬、SECはフランクリン・テンプルトン、ハッシュデックス、グローバルXなどの企業による別の3つのビットコインETF申請についての承認決定を延期した。
11月15日、フランクリン・テンプルトンとハッシュデックスの申請期限がそれぞれ2024年1月1日に延期された。また、期限が11月21日に設定されていたグローバルXも予想通り延期となった。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン