LUNAとステーブルコインのテラUSD(UST)が回復不可能な価格暴落となる中、Crypto.comは、テラ(LUNA)取引が可能な数少ない仮想通貨取引所の一つだ。しかし、Crypto.comのモバイルアプリケーションの技術的な不具合により、ユーザーは一瞬、LUNAの取引で30~40倍の利益を得られる事態が発生した。

13日にCrypto.comで、何らかのエラーによりシステムがLUNAの誤った価格を表示していたことが発覚し、ユーザーの取引を停止した。ツイッターで取引が停止されたことが問題視されたと同時に、Crypto.comのCEOであるクリス・マルスザレク氏は、ユーザーが多額の利益を得ることができた不具合についての詳細を明らかにした。

マルスザレク氏によると、LUNAは「59分間にわたり市場価格の30~40倍もの価格を提示」していた。その後、同社は全ての取引を取り消した。同氏は「この59分の間に売却された場合、ご連絡いただければ、取引時の市場価格でLUNAを買い戻す」と説明。ただし、不具合で表示されていた30~40倍の価格ではないとした。

マルスザレク氏は問題について次のように説明した。

「根本的な原因は、複数の外部要因(LUNAデススパイラルによるティックサイズの変更、撤退とLUNAチェーン全体の停止)が同時に起こったことで、通常のインデックスプライシングによって捕捉されるべきなのにそうならなかったため、価格の乱高下を引き起こした」

LUNAの取引について1日検討した後、マルスザレク氏は「すべてのユーザーアカウントが再有効化された」と通知した。

Crypto.comがLUNAの取引を取り消した一方で、同社は影響を受けた投資家に10ドル相当の自社トークンCronos(CRO)を提供した。